紅葉且散る

浄瑠璃寺浄土三昧散紅葉

須弥壇の黒光りして冬日和

奈良の北隣、木津川市の浄瑠璃寺の紅葉は素晴らしかった。

浄瑠璃寺の九体阿弥陀堂

池を挟んで東に浄瑠璃浄土の薬師如来、西には極楽浄土の阿弥陀如来九体をまつった、平安時代の寺である。薬師如来を安置した三重の塔は京の都より移設されたので戦火から免れて国宝、九体阿弥陀如来像、それをおさめた九体阿弥陀堂も国宝という堂々たるお寺であった。平安時代は貴族により阿弥陀信仰が広まり九体阿弥陀堂も数多く建てられたが、現存するのはここ浄瑠璃寺だけだそうである。

紅葉のピークは過ぎたものの、それでも浄土世界をもした見事な建物の配置もあいまってしばらくは声も出ないまま池を一周した。そのあと九体阿弥陀堂を拝観させていただいたが、阿弥陀如来さんが手を伸ばせばすぐに届きそうな場所におわす。また、ちょっと底冷えのする暗いお堂の中でも、結界ともなる須弥壇は長い年月人の手で磨かれたのであろう、黒光りしているのがはっきりと認められた。

“紅葉且散る” への6件の返信

  1. 浄瑠璃寺、昔2度ほど行ったことがあります。人少なでゆったりとしていて良かった記憶があります。
    ここも今は観光客が増えたのでしょうね。
    私は今日浅草の酉の市(三の酉)に出かけてきました。東京の下町生まれ育ちの友達に案内してもらいました。
    ガードマンが参拝者を並ばせ混雑していましたが、昔はもっと混雑していたそうで、家族で夜11時ごろお参りし帰りはいつも鰻を食べたものだと懐かしがっていました。
    熊手に犬やくまもんもあって今風やら伝統のものやら色彩豊かでした。
    江戸の華やかさ、江戸気質が身近に感じられる酉の市でした。

    1. 人出が多いと言っても京都の比ではありませんので、庭園もゆったり楽しめます。半分くらいの方は当尾(とうの)の石仏探訪のひとたちだからでしょうか、物見遊山の騒がしさがないのがよかったです。

      今年は三の酉まであったのですね。さぞいい句が生まれたのでは?

  2. 木津川市って京都府ですよね、奈良県境になるのでしょうか?
    木津川の相楽という所でお茶屋さんをやっている友人がいます。
    浄瑠璃寺 なかなかしっとり風情ありますね。

    1. 猿沢の池のほとりに泊まっていた和辻が往復した距離にありますからもっと近いのかなと思ったけど、意外に山越えなどがあってさぞや昔は苦労したのではないかと思いました。里山の奥にあって、あたりの雑木紅葉がピークを迎えていましたので、「古寺巡礼」の雰囲気がまだまだ残っているようなところです。

  3. 浄瑠璃寺、勉強させてもらいました。浄瑠璃って近松だと思ってましたが仏教なんですね。画像見るになかなかいいお寺のようですね。写真もよく撮れてます。しばし極楽浄土を訪れた気分になったのではないでしょうか。

    1. 南都攻めのルートからちょっと外れているせいか焼き打ちにもあわず、当時の浄土世界を具現したものが、現在にまで残されているというのは奇跡としか言いようがありませんね。京都の艶やかさなどから離れ、地味だからこそいいというものに出会えた気がしました。
      写真は本格カメラマンが三脚を立てている横からパチリ。いいアングルで撮れたと思います。

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