石畳の影

法隆寺 生徒の皆は 夏衣

法隆寺は今修学旅行の一団で賑わっている。

マイファームへは夢殿のある東院と五重塔のある西院とを行き来する生徒さんたちの行列を横切りながら行くことになる。
今日気づいたのだが、制服をバスに置いてきたのだろうか、引率の先生も生徒もみな白いシャツ姿。
石畳に映る一団の影も段々と濃くなってきた。

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嫌みのない雑草

草笛と 呼ぶや雀の 鉄砲かな

子供の頃穂の部分を抜いてよく草笛としたものです。

笛といっても音階が吹けるわけではなく、ただビーッと鳴るだけですが、空き地などで簡単に手に取ることができたので仲間たちと学校の帰りなどによく鳴らしたものでした。

お隣の空き地に「雀の鉄砲」を見つけたので昔を思い出しました。

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幽玄

青い目も 芝生の席や 薪能

今日、明日と南都春日・興福寺で薪御能(たきぎおのう)が行われている。

薪御能とは興福寺の宗教行事が猿楽に結びつき、室町時代に世阿弥により能として芸術域にまで高められた歴史をもつ野外能である。
いわば元祖薪能なのだそうだ。
今年は金堂再建中なので登大路に面した奈良公園内で行われている。
席はなかなかとれないそうで、ニュースでみるばかりであるが。
興福寺の薪御能についてのホームページです。

能の四流観世、宝生、金春、金剛のルーツも奈良県だそうである。
そういえば、平野を走っているとき、ここは観世流発祥の地と書かれた看板があって、能というのは京都由来のものだとばかり思っていたので驚いたことがあった。

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古墳の傍で

老鶯や 鍬振る吾の 手をとめる

マイファームでは、毎日のようにほんの間近まで鶯がやってきて名調子を聞かせてくれる。

しかも、それが一匹だけではないのだ。100メートルも離れてないと思われるが、あっちでもこっちでもテリトリー宣言の賑やかなこと。
おかげで、このうえなく長閑で贅沢な時間が流れてゆく。
新緑と鶯声、この時期最高の贈り物だ。

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出産ラッシュ

鹿の子の 今朝生まれたに 駈けており

一昨日奈良公園で今年最初の鹿の子が生まれたという。

報道陣の前で最初は緊張していたようだが、やがて本来の習性で駆け回る仕草は何とも言えず愛くるしい。
公園デビューまでにはまだ暫くあり7月とのこと。
妊娠母鹿を収容する鹿苑の予定では今年170頭あまり誕生予定とか。

可愛いからと言って安易に子鹿に近づくのは危ないそうだ。
やはりここでもas it is.

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どんぐりの花

山腹を 白く盛り上げ 椎の花

雑木林のなかでは今椎の木の存在が際だっている。

椎の木は全体が白く盛り上がるように花がさくので一目で分かるからだ。
栗と同じ仲間なのだろうか、花は独特な匂いを放つので遠くから眺めるだけにしておいた方がいいかもしれないが、この位置を覚えておけば秋にはいっぱい団栗を拾うことができる場所になる。
もしかしたら団栗を狙う動物たちと思わぬ遭遇があるかもしれないので、秋になったら足を運んでみようと思う。

マイファームのすぐ近くにも花を咲かせている大きな椎の木がある。

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日陰でも

旧宅の 思いでひとつ 紫蘭咲く

ホームセンターで探すのだがなかなか見つからない。

この時分空き地などに紫蘭が咲いているのを見ると、家人ともども旧宅の思い出話にふける。
先日もクルマを走らせていたときこの花を発見したので、そのままホームセンターへ直行したがいい株がなくてその日は諦めたのだった。

旧宅ではどなたかに分けていただいた株をそのまま庭におろしただけで、その後ろくな手入れもしないのに株も増え毎年見事な葉とともに鮮やかな紫の花で目を楽しませてくれたものだ。

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元祖臙脂色

子燕の めいめい大口 広げおり

巣立ち直後と思われる燕が三羽、枯れ枝に止まって親鳥に餌をねだっている。

見ればなるほど、下あごから胸にかけてもう立派な臙脂色。Wカラーである。
揃いも揃って大口を開けて餌をねだる姿がかわいい。
多分一週間もしないうちに親離れして自分で餌を捕るようになるのだろう。
さいわい虫がたんと飛ぶ季節がやってきた。

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目に染みる

しなやかに 風にしたがふ 若楓

楓の新芽はしなやかである。

か細い枝に透けるような葉がびっしりついていて、風が吹くたびに大きく揺れる。
一見頼りなさげに見えて、実は強靱な木なのである。

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産毛のような

黒肌の 幹をくねらせ 柿若葉

斑鳩の里、築地塀沿いの道をぬけたあたりの民家に柿の若葉を見た。

黒松のようにがっしりとした幹を形成した柿の老木が、いかにも柔らかそうな若葉を茂らせているその対比には心惹かれるものがある。
この産毛のような柿葉もやがて夏葉になり秋葉になって里の季節を移ろってゆくのだろう。

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