発見

向日葵のみんながみんなこつち向く

NPO団体の咲かせている向日葵が満開だ。

ただ、「ひまわり」と言ってもずっと太陽を追っているわけではなく、咲いた時刻の太陽の方向に固定されるらしい。たいていは朝開くだろうから、夕方になっても西ではなく東に向いたままである。
橋の下に咲かせた向日葵を箸の上からながめると、みんながみんな自分を見つめてくれるのは新鮮な発見ではあった。

高め

薬手帳すぐに埋まるよ朝ぐもり

曇の朝だったから覚悟した。

ところが、今日は一日中薄曇りのままのようで幾らか熱暑からは免れたのは助かった。
ただ、外出はできるだけ避けたいのは変わらない。どうしても処方箋をもらわねば薬が切れるのでやむなく出かけたが、帰ってきたらもう汗ぐっしょり。クールダウンさせるにも時間がかかる。
きのう三か月の長期予想が発表されたが、八、九、十月とすべて平年より高いと出た。
ほんとに秋がなくなるかもしれない。

薬味

今朝方のかほりのままの茗荷汁

まるでかぐや姫でも探すように。

茗荷の叢をまさぐるように顔を出したのがいないか確かめる。数日前まで姿形も見えなかったのが昨日突然あらわれて驚かす。なかにはもう花をつけはじめるものもいて、それまでの探索が甘かったことを知る。
というのも、茗荷というのは日陰の陰湿なところに茂るので、さらに徒長して藪のようになりかねないうえに、当然草を動かせば潜んでいた蚊がわんさと寄せてくるのである。
腰をしっかり音して地面を食い入るように眺めながら探すのはちょっとした労働なのである。
今日の昼にはやはり菜園の大葉と一緒に素麺の薬味に加わることになった。

受難

メール告ぐ土用鰻を寄こせしと

今日は大暑。

本来はこれから立秋までの期間を言うが、最近ではそのスタートの日をもって使われるようになった。梅雨明け十日といわれる時期と一致し、文字通り一年で最も暑い日が続く。
また今日は一回目の土用の丑の日に当たる。鰻にとっては受難の日であるが、12日後の8月5日もまた丑の日で、しらす不足の昨今二回も膳にあずかれる人はさいわいであろう。

神隠し

夏草に鎌一本を忘れきし

不思議なことがあるもんだ。

つい今し方草を刈って畝に敷き詰めたばかりなのに、その鎌が神隠しにでもあったかのように見当たらないのだ。
下手に草の中に手を入れれば怪我しかねないので棒や足で探ってはみるもののどうしても見つからない。昨日も同じ場所を探したのだが同じことだった。
曇でいくぶん暑さが和らいだので今日もこれから出かけるがさてどうなるやら。

活力源

主婦のみのラヂヲ体操夕涼し

こんな暑い日でも休みなく。

午後五時半きっかりに公園に五人ほどのご婦人が集いラジオ体操の時間である。
終わればしばらく談笑するのが一日のルーチンに組み込まれていて、暑さ知らずの活力源にもなっているようである。
こちらは夕方の玄関ドアを開けた途端のむっとする熱にくじけてしまいそうなのに、元気なことである。

解放

白南風や新規ジャンルの本借りる

実質的な梅雨明けのようである。

あっという間に真夏日の基準35度を超えて、炎天に長くたっていられない。
バイクの受ける風もむせぶような熱さ。
しかし、空気はわりとからっとしていて木蔭などにいれば何とかやり過ごすことができた。おかげで不快指数は上がらず、梅雨の陰鬱なはりつくような蒸し暑さからは解放されたのは嬉しい。
家事の方でも久しぶりの洗濯日和とあってせいぜいした人も多かったのではなかろうか。
生きているうちは気温はもう十年前のものに戻ることはないだろうが、「陰湿感」から解放されるだけでも喜ばしい。