たじろぐ

青深み梳かねばならず梅若葉

夏日が続く。

桜に浮かれていたのは数日前のこと。
庭の木に弾みがついて梅も柿も若葉の候である。もはや春の季語などのんびりと詠んでる場合ではなさそうである。
とりわけ早梅の枝などは茂り出してきて、早く剪定してやらねば梅雨時には蒸れて虫が湧きそうである。
それにしても急な暑さに日中の外での作業にはたたじろんでしまう。

夏仕様

散髪の椅子の倒れて目借時

あれもしてこれもして、そして散髪もして。

一息ついたらたちまち睡魔が襲ってくる。それはこの時期蛙に目を借りられるからだという言葉遊び。
散髪屋で髭を剃るために回転椅子を倒されたらそれはもう心地最高の居眠りの時間である。
だが、それは昔の話し。いまは散髪と言っても、何年も前から自己散髪、今風に言えばセルフカットである。
左右少々不揃いでも誰にも文句言えないが、鏡で覗いて手で髪をなぞってみてとくに違和感がなければそれでオーケーである。
今日より更衣のついでに、髪も短くして一気に夏仕様となった。

ヒートテック

軽暖の日陰に逃げて小事なす

「軽暖」。これより数日夏の季語の日が続くようである。

日向での作業は耐えがたく、ものの影によってようやく用が足せるような日であった。それでもものによっては日向でせねばならないこともあるのがきついことである。
終わってみれば、体力が落ちているとみえてめっきり体が重い。
考えてみればまだ冬服に近いものを着ているのも一因なのだが、朝方はまだまだひんやりしているので自然そうなってしまう。
明日はさすがにユニクロヒートテックは止めた方がよさそうだ。

溶け込む

新入生おくせず下校集団に

新学期が始まった。

はじめは給食がないのかどうか、帰りが早いような気がする。
登校も下校もご多分にもれず集団には変わりがなく、背もずいぶん大きな上級生に混じっていかにも新年生とおぼしきランドセルを背負わせられてるのがいて微笑ましい。
とは言っても、今の子たちというのは先輩に必要以上の遠慮というものがないようで、伸び伸びしているのがたのもしい。幼稚園にしても保育園にしても、幼い頃からの集団生活になれていて新しい環境でもごく自然に溶け込めるのだろうか。

悲鳴

ものの芽の怒濤にわれも待つたなし

ひと雨で景色が一変した。

雑木山はいっせいに新芽を吹いて薄緑の衣をまとい満開を過ぎた山桜も影が薄い。いっぽう、目を地上に転じると放棄田も野も草たちが萌えて命に満ちているようだ。
こうなると、いろいろサボっていた庭仕事だの、菜園の準備だのがもう待ったなしで腰を上げねばならなくなった。
三ヶ月に一度の歯科健診を済ませると、さっそくの野良仕事。部屋の中ではまだ肌寒い感じだが、外は紫外線も強くて気温もぐんぐん上昇。なまった体が悲鳴を上げた一日となった。

くすみ

花冷の水をたたへしプールにかな

町営ウオーターパークの桜もどうやらピークを過ぎたようである。

駅へ向かう途中にあるので、いやでも目に入ってくる施設と立派な染井吉野。
今年は開花から満開まであっという間に到達したようで、きょうの冷たい雨はさながら花散らしの雨でもある。
鎮守の森の桜も年々の老化で細くなってくるように思えるうえ、彩度の衰えも隠せないのが、今日の雨でさらにくすんだ色になっている。
落花の頃檜花粉もピークを迎えるらしいが、この雨で一息つける鼻炎である。

けなげ

矮犬の野太く咆えて園うらら

最近家で飼うのが当たり前になってさらに小さくなった。

伝統的な犬がめっきり少なくなって、改良された矮犬全盛の時代である。これが極端になると骨折しやすくなったりとか、特有の病気が多くなるとか、人間の都合によって小さな命をもてあそぶ弊害もでている。
何の犬種か分からない、ごく小さな犬とすれ違ったら、いきなり体に似合わない太い声で咆えられたので驚いた。けなげにも主人を守ろうとしているようで微笑ましくも思えるほどである。