ドーナッツ

四温とて雨降らぬことなかりけり

ようやく暖かい日になったかと思ったが雨に変わった。

午後からの予定もキャンセルとなって、たちまちやることもない退屈な日となる。
鳥も来ない窓の外は味気もなし。
昼にドーナツを二つも食ったら腹も空かなくなった。
どうしようもない2月の始まりとなった。

昼の月

柏木の古葉さやさやと寒木立

久しぶりに飛鳥へ足を延ばした。

橿原に用件があるついでに回り道しただけだが、それでも久の飛鳥の冬は身がきりりと締まるような寒さだった。
冬木立はいよいよ春に備へて冬芽もしかと確かめられたし、古木の凜とした佇まいには多武峰にのぼった真っ青な昼空の下弦の月が冴え冴えとして趣を添えていた。

老梅はあまねき光まとひゐて

飛鳥に寄った目的は梅の探索であったが、意外に梅は少なかった。かぎられた時間のせいもあるが万葉文化館ならまずあるに違いないとふんでようやく二、三本見つけることができた。
プロの養生もあってなかなかの枝振りである。どの枝にもうまく光が行き渡るように手入れされている。

恐竜の末裔

寒禽の小舎脱け出して雪せせる

鶏というのは残酷な生きものである。

群で飼うと必ずいじめに遭う奴がいる。いじめというのは集団リンチみたいなもので、誰彼となく嘴でつついて羽根を傷つける。最悪はその毛をむしり取るので、季節外れの羽抜け鳥となることもある。
そんないじめられっ子が鶏舎から出て徘徊したりするが、それでも遠くに行くようなことはない。しばらくしたらまた小屋に戻るのである。
いじめが、ひどいときには死に至らしめることもあり、つくづくとくしがたい生きものである。そう言えば目にズームアップすれば、恐竜のそれと同じでじつに冷たいものを見るのである。

自然のもの

寒卵小ぶりと言へど殻固し

鶏舎を抜け出して近くを徘徊しているのもいる。

ゆったりとした鶏舎でゆとりの飼育をしているようで、卵はやや小ぶりながら殻もしっかりしている。丼のご飯に落としても黄味がぷっくらとしていて簡単には崩れない。
いかにも滋養ありそうな寒卵である。
ぐるぐると箸でかきまぜて一気にいただく。有機無農薬野菜の漬け物だけがおかずでこれがまたうまい。
こういうものばかりいただいていると体に何か力がわいてくるような気がする。
人工的なものばかりに囲まれていると、こうした自然に近いものにふれる機会が少ない。自ら求めて探し回らなければならい時代である。

寒卵のぶっかけ飯

竹爆ぜて遠赤外線とふ焚火

竹炭を作るイベントに参加した。

県内には里山の耕作地が放置されて、林藪に覆われてしまったエリアが多くある。
そこで、管理を委嘱されたかたが竹林の整備を兼ねて、伐り出した竹でもってそれを炭にすることによって炭素を固定化する試みである。
無煙炭化器という、ステンレスでできた擂り鉢の底が抜けたような形をしたものに適当な長さに切った竹や木を放り込むと、鉢の中へ向かう対流が生まれ中心部が高温かつ酸欠状態になって炭化する仕組みである。
このたっぷり溜まった炭化物が放つ遠赤外線は強烈で、炎の高さに比べると比較にならない暖かさ。
ときどき雪が舞う中を寒さ知らずで終えることができた。
出来上がった竹炭は細かく砕いて畑の土にまぜると、炭の細かい穴が土壌菌の住処になったり、土壌の浄化にもなるらしい。幾ばくかをお裾分けいただいて試してみようと思う。
イベントでいただいたかまど炊きの熱々ご飯に平飼いのニワトリが生んだ文字通りの寒卵のぶっかけ。そのうまかったこと。
真冬のキャンプファイアも悪くない。

南岸低気圧

音たててスープをすする寒さかな

半日雪だった。

気温も上がらない。2度。
朝も昼もほとんど差がない寒さである。
ただ雪と言っても南岸低気圧特有のいかにも重そうな牡丹雪で、アスファルトの上に落ちたらたちまちかき消えてしまう類いである。
今夜からまた降るそうだが、これは大陸から吹きさらしてくる風によるものだから積もるかもしれない。
明日は朝早くから外出の予定があるので気がかりでならない。

ヘルスロード

寒風に爪突きだしてユンボかな

とうとう昼の室温が12度になった。

外は冷たい風。
ただ天気がいいので何日かぶりで外を歩いた。山からおろす寒風に圧されながら一歩ずつ坂を登る。10分も歩くと血流も上がって寒さは苦にならなくなる。といっても耳たぶは痛いほどだが。
いつもの散歩道に新しく公園ができるらしく建設機械が入って整地している。ここは夏には向日葵が一面を覆っていた場所で近くの住宅街の人たちがよく利用する道だ。公園の予定名は「ヘルスロード公園」。小学校に面する通り沿いだが、まるで高齢者を対象とした公園のように思える。
完成はこの五月らしい。
さて、どんな公園が出現するか。