空の具合

山越は霙混じりに変はりけり

明日も雨、ところによって雪になるという。

あまりにも暖かい日が続くので今年は冬タイヤを装着しておらず、明日の飛鳥行きはちょっと心配である。
というのも、盆地のなかでも大阪方面出口にある当地はまず雪の心配はないのだが、盆地南部の葛城から飛鳥にかけては時雨の通り道であり、毎年必ず雪があるところだからだ。
こちらはからっと晴れていても、南部の空が真っ暗になることはしょっちゅうで、雨量も多いにちがいない。
ともあれ、明日の午前中の空を見てどうするか考えることにしよう。

献立

好物を妻に所望の小正月

小正月であり成人の日の今日。

小正月は別名「女正月」。
正月から休みなく家のため働いてきた女たちに許された休日であるが、生まれてこの方身近に見聞きした覚えはない。
昔ほど正月というのは特別なものではなくなってきて、忙しい現代人にはそんな風習もいつしか廃れてきたのであろう。
ともあれ、いつものごとく家人は台所に立ち、今日の夕飯は珍しくも小籠包。
作りたてを食べているのに、あっという間に冷めた料理になってゆく。室温15度はあるのだが、やはり低いのだろうか。

タイマー

床を出てまず暖房を入れにけり

室温15度以下にならないと原則暖房は入らない。

基本は床暖房でエアコンは滅多に使うことはない。
床暖房はエアコンやストーブと違って空気が回らないので埃が舞わないだけいいのだが、室温全体をあげるには不利で、その分ホカロンと重ね着でしのぐことになるが、猫がいるので夜はタイマーをかけて暖房時間を延ばしてやったり、朝の数時間だけは床暖房で人間もお裾分けにあずかる。
さいわい今年は本格的な寒波もなく、このままエアコンを使わずに済むかもしれない。

傾く

大四角形たどりおのずと寒昴

満月が上がる前に早くもオリオンが輝き、その肩にある昴も天上にある。

月の明るさに負けず冬の星がきれいだ。
この季節にしてはいくらか暖かい夜だから、しばらく空の星を眺め回す余裕がある。
午後八時になるともう中天にさしかかっていて、これから大きく西に傾いてゆくのだろう。

発電効率

小寒の屋根に望月昇りけり

満月に少し欠けるくらい。

よく晴れて寒の月が上がって、太陽光パネルを輝かせている。
太陽光パネルの仕組みというのはよく分からないが、冬でも夏に劣らない発電能力があるのだろうかと疑問がもたげる。
入射角が違うから発電効率は落ちるのではないかと思うのだが、どうだろうか。

いたちごっこ

自動扉開いて枯葉吸ひにけり

玄関先に落葉が集まっている。

風が強くて、会館の玄関先に吹き溜まりのように集まってくるのだ。
どうやら、ドアが開くたびに落葉が寄せられているのが原因のようだ。
係の人がそれをせっせと掃こうとするのだが、せっかく塵取りに集めた落葉がまた強い風にさらわれて、いたちごっこの様相をみせている。

殯の叫び

二上山の闇夜に尖る虎落笛

すさまじい風である。

車体ごと持って行かれるような風にしぜんハンドルをしっかり握ろうとする意識が高まる。
昼前頃からだんだん強くなってフロンドウィンドウを枯葉だのポリ袋だのが叩きつける。夕方にはもう飛ばされるものはおおかた飛んでしまって、フロントガラスを叩くものはすっかりなくなったくらいだ。
飛鳥の小原の里では竹林の孟宗が45度くらいにまでしなって、すさまじい轟音をたてる。対面に見える二上はいつもより山容がすっきりと見えて、この虎落笛は皇子が眠る山への「もがり」の叫びでもあるようだ。
下校中の中学生らが雨が止んでいても傘を広げて自転車を漕いでいるのを見た。どうやら、傘を帆に見立てて風に押してもらおうというらしい。いかにもこの年頃の子なら考えそうな遊びである。
今夜までまだしばらくはこの風は収まらないようである。