護法鉢灯りそめたる秋夕焼
久しぶりに夕焼けがきれいだった。
六時を過ぎるころにはすでに日は信貴山の影になり、一気に夜が忍び込んでくる。
そのわずかな間に、薄暗くなった空をバックに雲が金色にかがやく時間があらわれた。
すでに鴉たちは塒に向かった後であり、私も鍬を置いて帰る時間である。九月のこの時期は苗の植え付け、種まきとやることはいっぱいある。
流れる汗を拭いて夕焼けをみているといつの間にか信貴山の頂上、護法鉢の灯りが瞬きはじめた。みるみる明るさを増してゆく。遠くから見れば、海に向かって標となる灯台のように盆地の指標的な存在でもある。
日が短くなり夜明けもひところよりは一時間ほど遅くなっている。
天候が安定したので昨日から三重へ、彼岸には少し早めの墓参。
今朝は夜明けとともにホテルをでて誰もいないお墓で勤行をした。
その後ホテルへ戻り朝食をとり一眠りしてからぎりぎりにチエックアウト。
一泊しても疲れが取れにくくなり体力の限界を感じている。
夏は西日、秋は東日。東の窓からさしてくる朝日の強いこと。紫外線の程度も昔より何倍も強くなった感すらある九月。暑さが再び戻ってきて体力を奪います。