夜とともに虫黙らする雨となる
ただでさえ虫の少ない年である。
虫すだくという言葉がどこにも見当たらない年だったとも言える。
そういう意味では今年は秋に肩すかしされたようでもある。
風呂での楽しみを奪われたのも残念である。
この暑さでは虫もやる気にならないだろうなあと自らを慰めもしたが、いざその暑さが去った途端の寒いとさえ感じる気温の落差である。これでは虫も恋を語るどころではないだろうなあと。
あげくに今日の冷たい雨である。
辛うじて一二匹鳴く夜はあったにしても、夜になって雨が強くなった今日は虫さんたちも店仕舞するのも無理ない。
極端に言えば夏からいきなり冬になった感じがする。
ついこの前まで夏掛けを蹴飛ばしていたのに今日あたりは毛布が恋しいようなそんな体感である。
未だ片付けていない扇風機が余計に寒々しく思える。
夏掛けもほとんど無しで過ごしていたのに、一気に羽毛蒲団に早替わり。なだらかに季節が進めば、この程度で寒く感じることなどないだろうに。夏が暑かったから冬は暖かいかということもなさそうですね。