飛鳥京跡苑池発掘現場へ

芋の露遠き峰には雨後の雲

雨だが、予定通り飛鳥京跡苑池説明会へ。

いつもなら行列を作るくらい見学者が多いのに、雨のせいか、それとも苑池発掘といってももう目新しくないせいか意外に人が少ない。スタッフの皆さんも拍子抜けされたんではないだろうか。10時のあとは11時、次は13時というふうにセッションも少なめ。おかげでゆっくり見学できた。
今回の発掘対象は飛鳥宮の北東のはずれ、飛鳥川沿いにある迎賓施設の苑池への入り口の建物跡らしい。
場所的には、先週だったか、20歳くらいの若者5人が乗った車がスピード出し過ぎで全員命を落とした現場からは徒歩5分くらい南に行ったところ。

飛鳥の芋畑。奥は多武峰。

車を降りて会場へ向かう頃には雨も止んだようで、放棄田では虫がしきりに鳴き青々とした狗尾草が揺れ、薄羽黄蜻蛉(精霊とんぼ)も群れ飛んでいる。板蓋宮跡から甘樫丘へなだらかな傾斜が続く一帯の田圃は、無農薬農業を実践しているためだろうか、田螺や蜷がいっぱい。小さなおたまじゃくしも泳いでいる。芋の葉も立派に育って雨露がきらきらと光っている。用水を流れる水も折しもの雨も加わって流れには勢いがある。
顔を上げると多武峰からは雲が湧きだしてきているのが見えた。
このようなロケーションなら句はいくつでも作れそうだ。問題は質だけど。

説明会が始まる頃また雨が降り出して、晴れ間にのぞいていた多武峰が雨雲に隠れてしまった。

“飛鳥京跡苑池発掘現場へ” への7件の返信

  1. 昔のことを研究するに理科系(考古学)から行くか文科系(古代史、更には古代文学)から行くか、両方とも大事だがバランスをとるのは難しいのでしょうね。先日紹介いただいた「考古学と古代史のあいだ」パラパラと読んだ時思いました。まあ素人の古代史フアンは興味本位でいいのでしょうが。

    里芋の葉っぱが瑞々しいですね。その向こうは稲田でしょうか。まだ真っ青ですね。びっくりです。

    1. まったくの文系歴史ファンになりますね。理系の成果にただ乗りして、昔の人間の考えたこと、やりたかったこと、行動規範というか何を畏れ何にしたがったのか、同じ「人間」として今と古代と何が違うのか、それとも変わらないのか。色々興味つきないです。遺跡にたってそんな妄想にふけるのもまた楽しからずやです。

      飛鳥の稲もまだほとんどが立ったばかりで、実りはまだこれからというところ。この奥の稲渕の棚田では案山子祭の準備が始まったばかりです。

  2. 雲に霞む多武峰、そして田園に里芋畑。
    この映像からテレビ番組(プレバト)並に詠んでみました。
       芋の葉の露の向こうは多武峰
       けぶる峰芋の葉っぱに露置きて
    夏井先生から痛烈な批判を受けそうです。

    1. 健吟ごくろうさまです。
      あの番組は素晴らしいですね。始まる時間になると家人がいつも教えてくれます。8時半の男です。
      なぜそれが俳句ではないのかを具体的に添削も交えて教えてくれます。新聞俳壇やNHK俳句レベルに達しない一般の人にとって、最適の入門番組だと思います。初心者向け本よりずっとお奨め。堅物の主宰も珍しくほめていましたよ。

    2. 作ってみて気がついたのですが、有名な、

      芋の露連山影を正しうす 蛇笏

      を真似たような句だと思いました。
      ただ、現地に立っての素直な気持ちだったので自分では模倣とは思ってないです。

  3. 周回遅
    考古学の世界も本当に奥が深そうですね。小生はすぐ近くに、妻木晩田遺跡が有るにもかかわらず、今までは別世界の出来事の様に考えておりました。白鳳伽藍の礎石の文章を読んで、古代へのロマンもまた汲みつくせないものであると痛感しました。
    バイザウエイ。この度長女が、八尾の方に嫁ぐことに相成りました。初めての経験ですので、何やかやと忙しい日々を過ごしております。私どもの結婚が遅かったため、世間の尺度から見ればまさに周回遅れの感です。花嫁の父としての心がけとふるまいは如何に有るべきか、思い悩んでいる今日この頃です。

    1. 慶祝のいたり、本当におめでとうございます。
      花嫁の父と言っても、とくに変える必要はないんじゃないですか。実の親には変わりないのでね。今まで通りでいいと思いますよ。
      八尾と言えばお隣も同然。これまで以上にお近づきできそうですね。

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