築地塀の筋の真白に金鈴子
表紙の写真である。
東大寺戒壇院の中庭は栴檀の大木が数本あって、五線の筋塀の外からもよく見える。
四天王立像で知られる戒壇院であるが、中庭の砂壇も見もの。さらに門に被さるように立っている栴檀の初夏には花樗の薄紫、夏には木陰、秋の金鈴子も見逃してはいけない。
この金鈴子に合わせて訪ねるのはなかなか難しいが、今年は折良く巡り会えることができた。
葉がすっかり落ちているので、本堂の正面から横手に回っても、名前の通り金色の実が文字通り鈴なりなのがよく分かる。
秋晴れの空を背景にすると、黄色い実は金というより白金のようにも見え、いよいよ輝いてみるのだった。
まさに秋空のアクセントですね。
我が家の玄関脇にある栴檀(孫の柚j樹の木)は夏の緑陰が終わり初秋になると連れ合いは実がなる前に早々丸坊主にしてしまうのです。
東大寺の栴檀はよほど大樹なのでしょう。
実も金鈴子にふさわしいですね。
一枝くらい残しておくようにしたら、秋の玄関が華やぎますよ。冬の紅い実がなる前の金色は貴重なものです。
近くの公園の「金鈴子」も今見ごろです。
散歩の時見上げると青空に映えて鈴生りが見事です。
毎年この季節の楽しみです。
もう少しすると皇帝ダリアが元気をくれます。大味な花ですが、淋しい季節には嬉しいです。
都会の公園に栴檀があるというのはそれなりの大きさの公園なんでしょうね。大きな木になりますから、そこらの児童公園では見かけることはないようです。
今日は公園でハナノキという楓の紅葉を楽しんできました。色づきがきれいでこの先が楽しみです。
談山神社も紅葉初めということですから、紅葉は例年より少し早いようです。
築地塀の筋の真白に金鈴子
これは好い句ですね。ほだかさんの句には
時々(失礼)驚くほど色彩に敏感なものがありますね。
これなど、その典型。元々奈良は白っぽい町並みですが
白い町並みに白い築地塀、そこに黄金の銀杏、凄いですね。
余談ですが;
イチョウと言えば、中国では意外にイチョウの樹は
少ないのですが、子供らはイチョウの葉が好きで、
葉を拾うと「ヤーチャオ、ヤーチャオ」と大声で
叫びます。中国語で、イチョウは”鴨脚”=Ya-Jiao。
日本語のイチョウは中国語の音だけを引っ張ってきて
文字は後から適当(?)につけたものだそうです。
昭和蝉丸さん
お褒めいただいて恐縮です。
そのように読んでいただくと作者冥利に尽きます。
白と金色に加えて空の青もあったのですが、さすがに17文字では野暮でして、二者の対比だけにしてみました。
イチョウの語源はそうだったんですか。
俳句では「銀杏」は「銀杏(いてふ)の実」のこと。木を言うなら「銀杏の木」としなければなりません。これは季語ではありません。一方、紅葉や落ち葉を言うときは「銀杏紅葉」「銀杏散る」「銀杏落葉」、みな季語です。実も木も同じ字を使うのはややこしい話ですね。