入園料免除の集団

高塀に石榴しだるる公舎かな

今月のまほろば句会は登大路の「吉城園」。

南大門前を流れてきた吉城川をはさんで、名園二つ。「依水園」と「吉城園」だが、吉城園は県営で65歳以上は入園無料である。30人も押しかけて誰も入園料を払わぬという、園にとっては災難の客。
元は興福寺の塔頭の一つであったらしいが、その後個人のものとなったり、企業の迎賓施設として使われたりしただけに、大正時代の手作りガラスをはめ込んだ広縁のある豪勢な座敷や離れの大きな茶会ができそうな茶室があるほか、池の庭、苔の庭、茶花の庭が築山などによってうまく配置された立派な庭園である。
広い庭園だけに、季題だらけで他に探す必要もなく、二時間はいただろうか。
いくつか詠めたが、やっぱり植物を詠むのはむずかしいものだとつくづく思わされた一日であった。

掲句は、公園の隣にある県知事公舎のそばを通ったときに見かけた光景。色のコントラストを強調する「白塀」にするか、高さを強調する「高塀」にするか迷ったが、石榴の古木を想像させるにはやはり「高塀」のほうが相応しいと思ったので。

“入園料免除の集団” への4件の返信

  1. 高齢者が優遇される施設が増えていますね。
    有り難いことですが公営でないと無理でしょうね。

    小さな実をつける鑑賞用の石榴が庭にあるのですが今年は花を見た記憶がありません。
    もう実がしだれていましたか。

    天候の影響でしょうか、先ほどのニュースでは彼岸花の名所がまだ今週一杯大丈夫との事でした。

    1. 石榴にも生り年というのはあるんでしょうか。枝にたわわに見事な石榴でしたよ。

      お庭のは姫石榴ですね。どちらかと言えば花を楽しむ石榴と聞いてます。枝にびっしり花をつけるのが常なんですけどね。
      今日は平群で電気柵の内側に曼珠沙華を見ました。おどろおどろした不気味さを感じてしまいました。句になりそうですけど。

  2. HPで見ると立派な日本庭園ですね。2時間も時間をつぶせる、しかも無料。いいですね。地方からの観光客はとてもこの庭園までは行けないでしょう。地元の人にとっては天国でしょうね。

    柘榴、実が熟れてボトボト道端に落ちて崩れてます。収穫して食べるのも厄介なんでしょうね。

    1. たしかに、奈良散策にたっぷり時間をかける人でも、ここ吉城園にはめったに入らないマイナーかもしれません。
      ところが、日本人客がいなくても外国人観光客はけっこう入ってくるんですよ。
      ガイド片手に熱心に見てますが、どこに惹かれんるんでしょうねえ。

      石榴も可哀想ですね。公舎前では、無人になった家の、道路にはみ出しそうな柿がいっぱい落ちて車にひかれて汚していました。これを、こんな風に詠んだ句友がいました。

      柿の木を残し邸跡更しをり

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