古色蒼然の四阿

四阿の檜皮しとどに露宿す

吉城園には要所要所に四阿が設けられている。

特に、離れ茶室の四阿は本格的なもので、檜皮を葺いた屋根には苔が生え、杉や竹の枯葉なども散っているという、いかにも古色を漂わせた佇まい。
苔には朝露がびっしりついて、いまにも雫となって落ちてきそうであるところを詠んでみた。
五票いただいので割合受けた句だったが、主宰の選は後日となるので、さてどうなるか。

自分ではいけるんじゃないかと思った句が外れたり、逆にこんなのがというのが特選になったりで、がっかりさせられたり、喜んだりだり、毎回楽しみでもあるが。

“古色蒼然の四阿” への5件の返信

  1. 四阿ってなんだろうと調べてなるほど確かに、と納得できました。
    朝露で桧皮葺の屋根がしっとり濡れそぼっている、露宿す、いいな~
    先月、斎宮歴史博物館の講演を聞きに行った時、9×7㎝四方の桧皮とその屋根を固定する竹釘をいただきました。
    この竹釘を口に何本か加えて咥えて作業するそうです。
    桧皮をずらしながら何枚も重ね確か5ミリぐらいの厚さにするとの事でした。
    手に取った感触は意外と滑らかでした。

    1. 春日大社も建て替え工事が完了しました。屋根葺きのドキュメンタリーを見ましたが、たしかに竹釘です。大量の檜皮は入手も難しく、春日の森に檜を育て20年ごとの造替工事に備えているそうです。

    2. 加えるではなく咥えるかな。
      この作業で口の中はともすれば傷つき口内炎になる事もあるとかは現場主任のお話でした。

  2. 日本を表現する漢字を挙げるとすれば「木」は間違いなく上位に入るでしょうね。樹齢何百年の木、そんな木で造った建物を大事に修理しながら長きにわたって使う。吉城園の四阿はそんな象徴なのでしょうか。

    1. 離れ茶室には広い苔庭が広がっており、大きな茶会もできるほど立派なものですが、この四阿は茶庭のもので、侘寂の類いでごく小さなものでした。台風でもきたらひとたまりもないようでしたが、風化して今にも崩れそうな石灯籠とあわせて、年輪が滲みだしています。四阿の屋根の檜皮を押さえていたのは竹でした。土壁の骨も竹。灯籠、飛石、蹲といい、「竹」「石」も日本を表現する漢字は間違いないです。
      もし俳句をやってなければ、一周20分ほどで見終わってしまいそうな地味な庭園ですが、お茶をやる人にはたまらないでしょうね。

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