男不在でも

娘が搗いて婆が臼取る寒の餅

女系家族かもしれない。

あるいはご主人が亡くなれたか、出稼ぎの留守か。
いずれにしろ、女たちだけで餅を搗いているのである。
杵はともかく、臼を引き出すのはさぞ大変だったろう。

安易に、二日連続して「寒餅」です。

二階の用途

寒餅の並ぶかつての蚕部屋

合掌造りの二階はかつては蚕部屋。

その蚕部屋も民宿業に商売替えした家ではもう面影は残ってないが、文化遺産を自宅として住んでいるところでは、倉庫やもの干し場などになっているようだ。

山菜など冬のための保存食品、それに寒餅を並べて干すのも二階だ。
白い餅、紅い餅、緑の餅、橡の茶色の餅。餅の色もさまざまで賑やかでいい。

少灯

口唇は語らふために冬灯

自分のいる処しか灯らない。

そんな日も今日で六日目。
洗濯は毎日しているし、問題は食事だった。

南天さんに発破かけられて、一念発起夕食くらいはと料理に挑戦してみた。
最初は、お勧めの豚汁。好きな塩鮭を焼いたものを添えて。今日は、きんぴら牛蒡と牛丼プラス野沢菜の漬け物、明日の夕食は肉じゃがにしてみようと思う。
冬だから、どうしても根菜ものが多くなるが、大根にしても牛蒡にしても、里芋にしても旨いと今さら思う。

自分で料理して新発見したのが、洗い物の要領。料理の合間に用済みのボウル、皿、俎、包丁などこまめに洗っていけば、意外に後片付けが楽だったことだ。今までは、食べた後の洗い物がおっくうで、料理する気になかなかなれなかったのだけど、これなら意外に新メニューに挑戦していけるかもしれないと思えるようになった。

昼のうどんくらいなら簡単に作れるようになって、いくらか苦手意識が薄れてきたかもしれない。
問題は、塩分がちょっと昔に戻ったように濃くなってしまうこと。これは要検討だ。

句の方は、今年は冬らしくない冬だけど、寒の内は「寒」をテーマにした句に絞って詠んでいこうと思ってます。

あたたかい冬

寒晴の集落覆ふ山気かな

珍しく晴れが続いている。

晴れても、厚くて黒い雲がかかるのがここの冬の特徴だが、今のところ雲は白い。白いということは、雲が薄いということだ。寒の内というのに、今年の冬はどうなっているのだろう。
そう言えば、毎年何度も見る風花をまだ見ていないのも不思議だ。

寒い冬を当て込んでいた人たちの心配は、ただ事ではないだろう。

今年初めての稜線

寒行の隊列一人スニーカー

今日の午後は見通しがきいて、大峯の稜線がよく見えた。

とくに夕日を浴びると明瞭度がさらに増す。どうやら、山上ヶ岳、弥山らは心なしか雪を冠っていつように見える。
暖冬とは言え、やはり寒中である。二千メートル近くにもなると積雪があっても当然だろう。

修験道の山に寒行を行う人もいる。
まだ初心者だったらスニーカーも許されるかもしれない。

一病息災

一病をともに抱へて寒詣

それぞれに一病をかかえた夫婦らしき二人連れがお詣りしている。

人混みを嫌ってか、あるいは正月の間はあれこれあって初詣できなかったのであろうか。

民謡『一週間』の世界

作り置きカレー温め寒に入る

今日から一週間ほどは猫たちとの留守番体制。

初日は、あらかじめ家人が作って置いてくれたカレーだ。
適当な生野菜をあしらったサラダを添えれば、栄養バランスも問題ない。
残りは、明日、明後日にかけて温め直しながら消化していく予定。
朝はパン食だから問題ないとして、あとはコンビニ弁当などでしのげば何とかなるだろう。

朝にしっかり食べておけば、昼飯など抜いたってとくに困らないし。
猫のトイレ掃除、そして自分の食事。
これだけで相当部分時間が取られそうである。