寒の加工食品

寒餅を搗く音もるる集会所

シニアだけの餅搗き大会に誘われた。

これで地域コミュニティの一員として認められたことになるのかもしれない。
新しい団地だからシニアのいる世帯割合は10%にもおよばず、数少ないシニアも行事などを通じて見知った顔ばかり。
寒がもうすぐ明けるという節分の前の日になるし、なにしろ暖冬だからおかきなど加工食品にしたりして寒餅としての保ちの良さは期待できないかもしれないが、それでも豆を入れたりした寒餅をいただくというのは久しぶりのことなので今から楽しみにしている。

男不在でも

娘が搗いて婆が臼取る寒の餅

女系家族かもしれない。

あるいはご主人が亡くなれたか、出稼ぎの留守か。
いずれにしろ、女たちだけで餅を搗いているのである。
杵はともかく、臼を引き出すのはさぞ大変だったろう。

安易に、二日連続して「寒餅」です。

二階の用途

寒餅の並ぶかつての蚕部屋

合掌造りの二階はかつては蚕部屋。

その蚕部屋も民宿業に商売替えした家ではもう面影は残ってないが、文化遺産を自宅として住んでいるところでは、倉庫やもの干し場などになっているようだ。

山菜など冬のための保存食品、それに寒餅を並べて干すのも二階だ。
白い餅、紅い餅、緑の餅、橡の茶色の餅。餅の色もさまざまで賑やかでいい。

栃餅食べたい

寒餅の便り久しく絶へにけり

毎年届いていた寒餅と干し芋がもう随分前に絶えて久しい。

一族が高齢化して跡を継いだ世代も田舎を離れてしまうと、自家製の餅を搗いたり、時間をかけて干し芋をつくる人たちも居なくなってしまったということだ。田舎独特の栃餅の味が忘れられないが、もう食べられないとなると無性にさびしくなる。
今の我が家は電気式の餅搗き器のお世話になっている。