切り貼りのどれも低きに春障子
覚えておられる方も多いだろう。
桜の形をした切り貼りがある障子。少し破れたくらいなら花びら形にカットした紙で繕ったものだ。
今では障子用の紙だって簡単に手に入るし、糊もわざわざ手作りする必要もなく、張り替えもずいぶん簡単になったことだろう。
春ともなれば去年張り替えた紙もうっすら灼けてきたりするものだが、強くなった日がその分あまりある光を通してくれる。
切り貼りの部分もそれだけくっきりと分かる。
障子の低い部分だけつぎが当たってるところをみると、破ったのは猫かあるいは小さな子供の仕業か。
我が家には和室がなく従って障子もない。
実家もすでに障子からガラス戸に変わってしまったが子どもの頃はどの部屋にも障子があった。
毎年張り替えるわけではなかったが小さな破れはそれこそ今日の句にあるように桜の花びら型に切ったもので繕ったりした。
新たに障子を張り替える時などは一部分に紅葉や南天の葉をあしらい透けて見えるように貼ったものである。
この歳になって障子のある部屋を懐かしく思い出している。
当地の家も障子はなくなりました。和紙のブラインドで雰囲気を補ってます。最近の家は断熱、遮音は行き届いてるんですが、心壁という古来の和室というのは珍しくなってますね。
障子は音を和らげる効果もあるし、明かりをうまく分散して部屋全体に広がります。