水を引く手筈整ひ苗代田
田植えの遅い地域だけど、苗代田の準備だけは万端整っている。
水口を囲むように、田の2,3坪ほどの部分に見事な畦塗りがほどこしてあり、畝も平らに均されている。いつでも籾を蒔ける状態なのだが、この地区の水は山の水を溜めた池から一斉に放たれるまで水は来ない。いつになったら蒔くのかと興味あるのだが、毎日通りかかるわけでもないので、気がついたら苗が育っていたという風である。
6月中旬田植から逆算すると、播種は5月も下旬というところだろうか。
苗代というのは歳時記に採録されているのは春だから、相当遅いと言える。
最近では私の田舎でも苗代作りや籾蒔きをする家は滅多にないように思われる。
祖父や父が作った畦は黒光りしていたものだ。
子どもの頃、籾蒔きをする前に風呂の残り湯に一晩漬けていたような記憶があるのだが記憶違いかもしれない。
最近ではJAから苗を買ってその苗を機械で植えるのが主流。
苗代から苗を束ねて手作業で早苗を植えるなんていうのはもう昔の話になってしまったんだろうか?
今では自前で苗床から起こすひとは少なくなってるのでしょうね。委託したり、買ったり。
当地ではわりに苗代を見ることが多いですよ。
ただ、畦塗りに替わって、トタン屋根みたいな波板をさし込んで代用しているずぼら農家は多いです。兼業ともなればやむをえんことなんでしょう。
このゴールデンウイークの平日以外は何も予定が入っていない。
今まで遠ざかっていた小説をむさぼり読んでいる。
たった今読んでいる富山を舞台にした小説の箇所に「ひつじ」という言葉が出てきた。
孫生えの事を言うらしい。
それがさらに伸びると「ひつじ穂」となり花をつけ実をならすものもあるが富山では10月に入ると気温が下がるのでひつじ穂のまま枯れて籾となってしまうそうです。
以前にほだかさん「ひつじ」のこと詠まれたような気がするのですが・・・
私はひつじと言えば羊とひつじ草しか知りません。
「穭」は晩秋の季語です。
雁などが冬の田でついばんでるのは、落ち穂または穭穂といいます。伊勢平野では穭穂が立派な籾をつけてるのを目撃します。
自治会の仕事で各戸から年会費徴収など、連休中で苦労してます。