2ndテナーの優男

高麗山の落花せかする雨一夜

思いもかけない訃報が届いた。

それも、亡くなって一年後である。
コロナ禍もあってご遺族は広くお声をかけるのを避けられたのだろう。
友人がたまたま演奏会の案内を出したところ、ご遺族から丁重な返信があったのだと。
大学の同級生であり、男声合唱団の仲間であり、しかも二浪というところまで共通の、テナーの声がよく通る優男。
長年住み馴れた横浜を引き払い、余生を大磯・高麗山の邸宅で穏やかに過ごしておられるとばかり思っていたのだが、互いに賀状出さなくなって半ば音信不通状態のまま。コロナ禍が収まればまたいつでも会えるとばかり思っていたのに。
昨年の花の盛りにこの世を去ったS君に捧げる句である。

“2ndテナーの優男” への6件の返信

  1. コロナ禍ではこういったことが起こりえるのですね。
    おめでたも訃報も知らないままに過ぎゆくことが多くなりました。
    コロナがもたらした影響は計り知れません。

    昨日シルバーカレッジの班活動で出かけた際に地下鉄構内で県の無料PCR検査を実施していたので友人と一緒に受けた。
    その友人も新年の三が日に奥様を亡くされている。
    会場でご夫婦ですかと言われてしまい双方が「違います」と否定して笑ってしまった。
    今日の午後検査結果が届き陰性と判明。
    出かける際に少しは安心材料になりそうである。

    1. そのように検査が広く行われていれば、人心に与える不安を和らげもしましょうが、政府のやっていることは世界標準に逆行することばかり。疫病の第一は検査、そして隔離です。この基本が守られてない。なんら合理的根拠もない施策には怒りを覚えます。

  2. 高麗山の落花せかする雨一夜

    これは、好い句ですねぇ。旧友の突然の訃報に、驚く様も、悲しむ様も、みんなこめられた好い句です。特に、「せかする」は「急かせる」と解しましたが、無常さがじんわり伝わって来ます。

    1. 望の月の下で死ぬるなら西行さんみたいだなと思いましたが、調べると当日は新月に近い闇の夜でした。
      人間いつ死するか、誰にも分かりません。邸宅で得意の料理をみんなで囲んだ日が懐かしい。彼は、「男の料理」と言うテレビ番組に出演したこともある、母親譲りの器用な男でもありました。
      別れとは人それぞれの感慨があるものですから、彼を知るものなら弔句と誰でも分かるように詠んでみました。「高麗山」がキーワードです。その日の大磯は雨だったようです。

  3. 親を看取って送るのは致し方ないとして、同輩・後輩を送るのはやるせないものですね。
     実は3年ほど前から、卒業50周年を記念して、松本キャンパスに会する企画を継続しておりますが、生憎のコロナ禍で、今年も難しい情勢です。
    待ちきれずに早逝する御仁が、何人か出てきております。総じて人格円満、惜しまれる人が多いようです。 
    神様の思し召しとはいえ、あまりに早くお呼びのかかるのも考え物。
     ここはちょい悪を決め込み、分相応の順番でお願いしたいものですね。

    1. 友を送るというのは身に入むやるせなさ。明日はわが身かもという逃れられないものに、抗いつつもいつかは、と。
      我ら同窓会の次回予定は健康寿命75歳のころとなってましたが、やはり無理でしたね。この頃からぽろぽろと櫛の歯が欠けるようにお呼びがかかってくるのでしょう。

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