窯跡を剥ぎて保存の山笑ふ
なんでも推古期の窯跡らしい。
それが住宅地の一画に移されて誰でも見ることができる。
この辺りにできた寺院の屋根を葺いた瓦を焼いたと伝わっている。当時は瓦屋根は寺院くらいしか葺かないものだった。
もしかしたら法隆寺の伽藍の瓦の一部もここで焼かれたかもと思うと想像がいろいろふくらんでくる。
高さ10メートルほどの登り窯で、屋根をつけ囲いで覆って保存に務めている。住宅地の開発のおりに発見されたというからまだ二十年は経ってない。聖徳太子ゆかりの信貴山下、我が家から百メートルも行かない場所にあったそうである。
登り窯を初めて見たのはまだ子供が幼いころ東濃の山奥である。
いまは有名な加藤幸三先生の窯であった。
推古期の窯が保存されているとはさすが奈良ですね。
現代のよく見られるものに比べて、傾斜度合いが強いものです。角度50度くらいあるでしょうか。いかにも炎が真っ直ぐ上にのぼりそうです。
人間国宝、加藤 孝造先生でした。