春の号砲

杣の耳そばだて夜半の遠雪崩

雪崩は春が近い印である。

来週あたり3月下旬から4月上旬のような暖かさになるという。
気温が一気に上がり雪崩が起こりやすくなる。木をなぎ倒し、谷の大きな石をも転がす、恐ろしい力があるいっぽうで、今まで人を寄せ付けなかった山にアプローチできるきっかけをもたらす。
山に生きる人にとっては待ちに待った、言わば「山明け」の号砲とも言える。

“春の号砲” への4件の返信

  1. 杣って木こりのことですか。いやあよく言葉知ってますね。感心します。すっかり言葉探しの生活習慣が身についたようですね。すばらしい。
    専門家には遠くの雪崩の音もすぐに分かるんでしょうね。

    1. 「杣」は元来、字のごとく木を切り出す山のことですが、転じて樵のことも指すようになりました。「杣人」のほうが正確なんでしょうね。「杣道」は「獣道」に対する人の生活道、「杣小屋」は樵や猟師、炭焼の人が寝泊まりする小屋など、応用編がいろいろあるようです。

  2. 百人一首95番慈円の歌。
    おほけなく うき世の 民に おほふかな わがたつ杣に 墨染の袖
    この場合は比叡山を指すのでしょうが・・・

    見渡せば花も紅葉もなかり けり 浦の苫屋の秋の夕暮 定家
    私は杣と苫屋を混同しておりました。

    1. 「吾は海の子」も「苫屋」でしたね。
      ちょっと見窄らしいというニュアンスを含んでいます。
      自分の家を「杣の小屋」と卑下して使う場合もあるようです。

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