老の腰かがめほまちの海苔を掻く
半島の磯を散策していると、広い磯に老婦がひとりで海苔を掻いているところに出くわした。
手にしているのは小さな水切り籠なので、それを専業とするようにはとても思えず、おそらく自家で消費するか、あるいは小さな民宿でも営んでいるのかもしれない。
北側は高い崖に守られているので、それが衝立のようになって浅い春の冷たい風を遮ってはいるが、それでも水の冷たさからは免れられない。
労働のわりには得られるものが少ないと思われるが、磯に黙々と腰をかがめる早春はなんど繰り返されたことだろう。
同窓会メンバーによる城ヶ島ハイキングの、今でもときどき思い出す光景だ。
何にせよ身体を動かす、労働するというのは人間生活の基本なんでしょう。これができなくなったらおしまい。リタイア生活でもいっしょだと思っています。
同窓会ハイキング、色んなとこ行きましたね。記録を整理してもらって記憶が蘇ります。これからも続けていきたいものです。
最近家人に代わって掃除機を使うことがあり、これが終わると不思議に体がポカポカしてきます。
こんないいことを、これまで家人に独り占めされていたとは!
この磯歩きをしているときに、二歩さんから俳句をやろうと持ちかけられたこと、その縁で二三女とも初めて打ち解けて話ができたことなどを思い出しています。2015年3月のことだったんですね。