鰓脚

植田はや澄んで豊年蝦おどる

名前がなかなか出てこない。

たしか、稲にちなむ名前で、どこか目出度い名前をもらっていたはずといろいろ検索はしてみるももどかしくも思い出せないでいた。
検索キーワードもうまい言葉が見つからず、「え〜と、え〜と」を頭の中で繰り返す。
すると、ふいに「豊年」という言葉が過ぎったことから、いっせいに脳細胞にフル活動を命じると「エビ」が思い当たる。組み合わせると「ホウネンエビ」になるではないか。
これで検索したら百発百中のドンピシャ。画像も実際に見たイメージのものだった。
「豊年蝦」。これが多い年は実りが約束されるといわれるも、近年はめっきり数を減らしているらしい。
水も不足なく田植がようやく一段落した盆地は植田一色。田水も澄んで小さな生きものがよく見える。
イトミミズ、小さな水中昆虫がときどき水面に頭を出しているのは空気を取り入れているのであろうか。
屈みこんでのぞいていたら、こんなに近寄って田んぼをのぞき込むなんて何年ぶりだろう、おお懐かしい「豊年蝦」を発見。
ふわふわと浮遊するように、そう浮遊という言葉が相応しい、そんな動きを見せながら、繊毛のようなたくさんの脚を小刻みに動かしている。これは「鰓脚」と呼ばれ、呼吸機能があるようだ。これでかき回して水中の植物プランクトンを摂る。
甲殻類だった。水中昆虫だとばかり思っていた。
なかなかヒットしないわけである。

“鰓脚” への2件の返信

  1. 百姓の娘なのに「豊年蝦」は聞いたこともなければ全く知りませんでした。
    ひょっとして田んぼで見かけたことがあっても気づかなかっただけかも知れません。

    思い出せなかったことが発見できた時のうれしさは例えようもないですね。
    私は映画の題名が思い出せなくていろいろな場面や動作のキーワードで検索して見つけたときはバンザ~イと叫びたくなります。

    1. 体長2センチにも満たない、小さな生きものです。鰓脚をひらひらさせて浮遊しているのは可愛いものです。
      体も透けてきれいです。
      田螺とかいない田なので農薬か!と思ったのですが、豊年蝦をみてほっとしました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください