水藻編むだけのはかなき浮巣かな
斑鳩の里には大小の溜め池が多く、子育てのためだろうか巣作りで大わらわのカイツブリの夫婦が見られる。
ただ、見ていていかにも不安定なのは、水面に漂う藻をしきりに編んでは巣を作ろうとしているのだが、巣の上や左右をおおうものとてなく360度丸裸同然なのである。これでは、カラスなんぞに襲われたらひとたまりもなさそうなのである。
それに浮き巣自体が藻だけではとても卵をあたためる床などできようもなく、この夫婦はどうやら経験が浅い夫婦ではなかろうかと思うのである。
鳰の浮き巣と言って、彼らの巣は大水が出たりするとすぐに壊されたり流されたりするのでもろい、はかないものの象徴、たとえに用いられるが、なるほど当たっていると思う。
ただ、流されても壊されても懲りずに何度でも作り直す習性があるようで、先週は隣の池で枝のような浮遊物にすがって巣作りしていたカップルがいたが今はもういないところを見ると、あれは今日見たカップルなのではないかと思われる。
しばらくは観察を続けようと思う。
面白い巣作りの仕方ですね。そんな方法で雛がかえるのでしょうか?
鳥の巣作りは今の季節なんですね。
種類によって巣の作り方も様々、一番良く解るのは燕です。
以前ベランダのシャッターの内側に雀の巣を作られたことがあります。
かわいそうでしたが藁やら枯れ草等を掻き出したらゴミ袋、数袋もありました。
先日も台風のさなか、雀が異常な鳴き方をするので何か異変が?と思ったりしました。
巣の中の雛を心配して鳴いていたのでしょうか?
巣立つ確率は当然低くなるので、その分多くの卵を産むとかしてるんでしょうね。
昨日友人がカイツブリの親子の写真をfacebookにアップしてくれましたが、雛を背中に乗せて泳ぐ姿というのは他の水鳥などにはあまり見られない珍しいものです。
雀も最近は数を減らしているそうです。できるだけ本来の彼らの環境を守ってやりたいものですね。
ほだかさん、いい環境ですねえ。芭蕉の「五月雨に鳰の浮巣を見に行む」そのものの世界に暮らしているのだなあと、羨ましく感じています。頭の中で考える情景と実景とでは、感性に訴えるものが全然異なりますものね~~
横浜のニュース記事を紹介します。関東でも結構いるものですよ。
カイツブリ ひな生まれたよ 青葉区
吟行という言葉があるくらいだから、見て感じたことというのは肝なんでしょうね。実際作句するにも頭で考え出すより目で見た方が入りやすいもんです。
「浮き巣」なんて季語があるんですね。鳰鳥そのものは冬の季語なんで夏にこの鳥を詠むなんてありえないと思ってたけど、これも俳句というか季節を愛でる日本文化の懐の深さということでしょうか。
南天女ご紹介の芭蕉の句、いいですね。「笈の小文」にある芭蕉の好きな琵琶湖での句のようですね。正に季重なりじゃないかと思うんだけど、俳聖のおっしゃることですからねぇ。やはり五月雨がないとまずいんでしょうか。
ほだかさんの末尾のフレーズを借りて、
「しばらくは鳰の浮き巣を見に行む」
でもスッキリしてていいかと思うんだけど。。
琵琶湖は別名「鳰の海」とも言われるくらいですからカイツブリが多かったのでしょう。それを見に行こうというのは芭蕉独特の表現ですね。
当時はともかく今は葦の面積激減とともに数を減らしてるようです。
鳰のうみ遠く
そう言えば滋賀県出身に「鳰の海」という力士がいますよね。
幕内力士だったかどうか?
琵琶湖にちなんだ四股名でしょうね。