あぢさゐの雨やる書架の金表紙
さすがに一日降られると倦む。
いつもの席に座りっきりでいると座りだこができてしまうのではないかとさえ思える。
畑へ出たり、庭に出たり、天気さえ悪くなければ少なくとも半日は外で時間をつぶせるが、こうも降りこめられるのは久しぶりで何をしていいか戸惑ってしまう。
本ばかりも読んでられないし、猫を相手にしようにも奴らはよく眠っている。家のうちを歩けば湿気で足裏、スリッパがペタペタして気持ち悪い。和室に逃げ込めばいやな湿気からは逃れられるが、すぐ横になってしまうし。
録りためたビデオを見てもいつの間にか居眠りしている。
よくよく暇のつぶし方を知らない人間のようである。
しばらくはこんな日が続きそうで気が滅入ります。
梅雨が明ければ灼熱の夏日、今の体力で一夏が持ちこたえられるか心配です。
退屈しのぎに図書館の本を借りているがなかなか進まない。
それでもhodakaさんご紹介の八木義徳全集全八巻を読み終えました。
つくづく愚直なまでに正直な私小説家だと思い大作家に対して愛おしいというのも変ですがそれに近いものを感じました。
こんな人物に若かりし頃巡りあえたhodakaさん、貴重な体験です。
それに関連して有島武郎を読んでみたりもして今は横光の旅愁を借りていますが進みません。
最近村上春樹が好きになったり少しずつ読む傾向が変わりつつあります。
これも歳のなせる仕業か・・・
いろいろな作家の世界に踏み入るのはちょっとした冒険のようでワクワクすることがあります。新しい作家のものにはなかなか食指が伸びませんが、いまや古典となりつつあるものにはどこか安心感がありますね。
全八巻を読み終えるのに半年以上かかったように思います。
好きなのは「海明け」でした。
最終八巻の巻末、書誌年譜の書評、詩評、解説等蘭に月刊自動車労連は昭和58年~61年とありました。
専従2年目から4年目の頃ですね。取材、執筆、校正室での作業、などなどいろいろな経験をさせてもらいました。その後は単組に戻って本社委員長2年。つごう6年間を組合活動に捧げたことになります。アップダウンの激しい6年でもありました。