薬味

今朝方のかほりのままの茗荷汁

まるでかぐや姫でも探すように。

茗荷の叢をまさぐるように顔を出したのがいないか確かめる。数日前まで姿形も見えなかったのが昨日突然あらわれて驚かす。なかにはもう花をつけはじめるものもいて、それまでの探索が甘かったことを知る。
というのも、茗荷というのは日陰の陰湿なところに茂るので、さらに徒長して藪のようになりかねないうえに、当然草を動かせば潜んでいた蚊がわんさと寄せてくるのである。
腰をしっかり音して地面を食い入るように眺めながら探すのはちょっとした労働なのである。
今日の昼にはやはり菜園の大葉と一緒に素麺の薬味に加わることになった。

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