もろこしの花の十字の槍のごと
菜園などでは夏野菜が真っ盛り。
そのなかでも上手に育てたトウモロコシなどをみると、ほれぼれするほど雄花が立派に空にそびえている。それは、まるで十字槍を並べ立てたように雄々しく夏の畠にふさわしく思える。この穂が開くと細かい花粉がこぼれ落ちて雌花の髭に絡みつき、一本の髭につき一粒の実がなるのだという。
だから、この花粉がまんべんなく降りかかることが重要で、作り手としてはここが勝負時だが、相手はそれだけではなくアワノメイガという虫も大敵なのである。
この虫は雄花から侵入し、茎を通じて実の中に忍び込む名人で、雄花をいつまでも放置していたら虫の侵入を易々とゆるしてしまうことになる。人工で花粉を降り出したらさっさと切り落としてしまうのも対策になるが、反面実入りが悪くなったりしてその兼ね合いが難しい。
店先で並んでいるのは虫害がないものばかりだが、雄花の管理が大変なのでおそらく農薬を使って虫害を防いでいるのが実のところではないだろうか。
トウモロコシ、すごく詳しいですね。
このようの過程を経て見事な実をつけるのですか。
私はもっぱら食べることのほうに興味ありですが今度は実の成り立ちを考えながら味わってみたいですね。
むさぼり食べるだけが能ではないですね。恥ずかしい~
立派な雄花にして立派な実あり、というところでしょうか。もちろん、健康な雌花ありにしてですが。
そうなんです!
トウモロコシの天敵はアワノメイガなんです。
今年は実がつきヒゲの部分の受粉が終わり、茶色に色づき始めたらアワノメイガ対策でトウモロコシをネットでカバーし、雄花を切ろうかと思ったら、もう既に一部は侵入されており、手遅れでした。
ヒゲの部分から侵入したものと、実の外側から侵入したもの、茎に侵入したものと3種類が見受けられました。
早めに雄花を切ると受粉ができない恐れもあり、タイミングが難しいね。
以前借りていた貸し農園の園主さんに聞いたところ、防虫剤を散布せず、無農薬で栽培する場合の宿命と思うより仕方ないと言われました。
また、虫が食うほどトウモロコシの味もいい証拠だとも励まされました。
昔は虫食った部分をかきとって食べたものですね。
今のとうもろこしは柔らかくて虫が好むせいか、かき取るにも残る部分が少なくて困ります。
実の成り方がよく分かりました。独特で面白いですね。風による受粉なので大規模農業に適していると聞いたことがあります。虫害もあるし大変なんですね。
その通り、ある程度まとめて植えないと受粉がむずかしくなります。少なくても、穂を手で持って振り出してやればいいのですけどね。