初霜の消えて甘藍光りけり
目が覚めると霜だという。
寝室から向かいの駐車場をみると、車のボンネットやルーフにうっすら白いものが降りているのが見えた。
今年の初霜である。
あれだけ暑い秋の日々が続いたのに、ときが至れば来るものは来る。あえぎあえぎ呼吸しているが地球はまだリズムを失っていないのに救われる。
霜が降りるくらいだから高気圧は真上にあり、天気はいい。散歩には十分な陽気につられて午前中も歩いたが、午後も出かけたくなった。ただ、この二十年ほど脊柱管狭窄症による間欠性跛行に悩まされている私は、わずか五分の歩行でも両足が先まで痺れるような痛みがあり、休み休みでないと長くは歩けない。そこで午後の散歩はあきらめ久しぶりに自転車で出かけることにした。ドロップハンドルのバリバリのロードバイクだ。
当地に越して道路事情など思わしくないことなどを言い訳にすっかり遠ざかっている。身長も縮んでいるようだし、サドルを1センチほど下げるがそれでも恐いほどの前傾姿勢である。しかも家の前は坂道である。
思い切って漕ぎ出すと最初はふらふらするが、次第に視線を遠くにやれるようになっていくらか安定してきた。こうして腰への負担は緩和されたが、使う筋肉はどうやら違うようで太股の裏やふくらはぎが張るようだ。
健康のための運動がかえって害にならないよう、安定した走りになるまでしばらく続けないといけないようである。