発見

向日葵のみんながみんなこつち向く

NPO団体の咲かせている向日葵が満開だ。

ただ、「ひまわり」と言ってもずっと太陽を追っているわけではなく、咲いた時刻の太陽の方向に固定されるらしい。たいていは朝開くだろうから、夕方になっても西ではなく東に向いたままである。
橋の下に咲かせた向日葵を箸の上からながめると、みんながみんな自分を見つめてくれるのは新鮮な発見ではあった。

高見する

向日葵の迷路をなぞる橋の上

向日葵にカメラを向ける人もいる。

高い位置から見ると、こちらが太陽かと錯覚を覚えるほどみなこちらを向いて壮観でもある。
向日葵畑は町が支援してNPOが育てたもの。
散歩途中の人、あるいはSNSなどで知った人たちが炎天にやってきてスマホをかざしている。
あと一週間ほどは楽しめそうだ。

あたためる

向日葵の二列横隊校舎下

いつもならサツモイモ畑。

今年はそれが向日葵一色になって今が満開の時を迎えている。

道路を挟んでその向かいの小高い丘には小学校の校舎が南面している。教室からはちょうど足もとに向日葵畑が広がっている格好だ。
おそらく子供たちや先生はその光景を眺めながらいろいろ言葉を交わしたであろうし、それがまたいつか大人になってから思い出すこともあろう。
なにか心暖まる思いのする向日葵畑である。

ひたすら

向日葵のうつむいてゐる昼日中

急な暑さに向日葵がげんなりしている。

35度の日が続けばあの向日葵だってよほど堪えるのだろう。
人間はもうひたすらエアコンの庇護のもと部屋にいる他はない。

目を留める

向日葵の役場人來てひとの去る

花いっぱい運動推進中。

そういうポスターや標識が町内のあちこちに。
年二回パンジーなどの草花を無償で町民に配るなど町は熱心である。
今の役場の入り口には、鉢植えの向日葵がずらりと並んでいる。
車を停めて庁舎に入ればおのずと目に止まるが、しばらく見ていると誰も気に留めないようにも思える。
暑すぎてか、あるいは切羽詰まった相談事でもあるのか、見事に咲いた花を見る余裕さえもないのか。

照る日曇る日

陽の当たる当たらぬ日あり向日葵草

今日から表紙絵は紫陽花から向日葵となった。

写真の後ろが仏塚古墳の墳丘。このあたりを縄張りにする鶯がいて、いつも間近でいい声を聞かせてくれるが、今日は替わって時鳥くんだった。もしかして猛暑なので鶯くんはすぐ傍の高い丘陵に避暑を決め込んだのかもしれない。

照る日も照らぬ日も、向日葵は向日葵。ひとの毎日もまた同じ。