魂胆

効能にほれてどくだみ煮出しけり

たしかに匂いはきつい。

草が大好きな猫でさえ顔をそむけて逃げていった。
鍋に移って叱られるのもいやなので、家人の帰りを待って軽く煎じる。煎じるというより、匂いを飛ばさぬように沸騰寸前に四五分煮るだけである。
何でも虫の嫌いな匂いだそうで、当たり年のカメムシにお引き取りいただこうという魂胆である。

嫌われ者の効用

どくだみの生き生き生きる薬草園

陰湿な場所を好み隠れもののイメージ。

ところが、薬草園では畑の一角を与えられて堂々と日を浴びている。当然と言えば当然だが。
匂いも強くて嫌われ者でもあるが、意外な効用として雑草さえ忌避してしまうと言うくらい頼もしさもあるのだ。
ただ、放置しておくと手がつけられないくらい蔓延してしまうので、そこら辺は手加減が必要なのは無論である。

夏の準備

どくだみに植え込みの隙つかれたる

今日は初夏の陽気。

気温こそ30度近くにまでのぼったが、空気が乾燥していて気持ちがいいので、久しぶりに馬見丘陵を歩くことにした。
墳丘の杭に張られたロープに子燕が並んで親の給餌を待つ光景や、もうしっかり大きくなった橡の実を見ることができたし、木槿、桔梗や女郎花の黄色い花がもう咲き始めているのも発見した。
先日まで花菖蒲、紫陽花の公園だったのに季節はみるみるその景色を変えてゆく。
花壇では八月に咲かせる花の植栽、そして水やりが行われ、夏本番に向けた作業が急ピッチである。

暑さにバテないよう、しっかり汗をかける体を作らなければいけないと思った。