くるくると

朝と昼風向き変はる四温晴

一日の内で温と寒を味わう。

そんな一日ではなかったか。正午を境にはっきりと風向きが南から北に変わって、午後の散歩の風が耳を切るように痛い。
当たり前の話だが、天気の動きは決して24時間単位ではない。
これを書いている今はもうその風も穏やかになった。
なんと目まぐるしいことか。

待ち遠しい

三寒の底の抜けるも盆地なれ

毎日のように霜が降りる。

盆地であるとはいえ、こんな年はめずらしいことである。
とくに霜が厚い朝の冷え込みは尋常ではないが、そんな日にかぎって日中気温があがることを体感的に知っているので驚くことはない。
一番困るのが日中雲が重たくかかって気温が上がらない日である。高くて8度くらい、低い場合は4、5度しか上がらず何をする気にもなれないくらいだ。
その寒い朝が明日からまたやって来るという。
一年で一番寒い時期だからこの程度の寒さは当然なのであるが、それならばなおさら2月が待ち遠しい日々である。

研ぎ直し

剪定の鋏研いでる四温かな

昨日辺りから四温晴。

今日は晴れのうえに気温が上がって庭作業日である。
まずは切れ味が少し鈍いと感じる剪定鋏の研磨から。
研いではみたが、切れ味が変わったようには思えない。
やる気がでたらまた研ぎ直ししようと思う。

布団干す気になれない

晴るる日の一ト日続かぬ四温かな

ここ数日暖かい。

ただ、空がすかっと晴れた日は一日とてなく気が重くなるような天気だ。洗濯物や布団を思い切って干せない家人はこの天気を恨めしく思っている。
だから寒さが去年よりずっと続いているような気がしていたが、やっぱり1月、2月は暖冬傾向なのだそうだ。
そう言われてみれば、今年に入って最低気温が零度を大きく下回る朝はないし、今日など大寒だから連日零下3度前後の日が続いてもおかしくない時分と言うのに。

待つ

三寒に四温待ちをる古木かな

桜という木は一度寒さを経験しないと花を咲かせないという。

今年は本格的な冬だったのできっと立派な花を見せてくれるに違いないと思う。
木を見ると蕾はまだ小さなままだが、これもやがて徐々にふくらみ始める。
それが何時頃になるのかを頭に浮かべるだけで、あるいはそれを発見したときの情景を思い浮かべるだけで心が騒いでしまう。

待ちわびるのは当然自分自身なのである。