精気

雨しみて身ぬちざはめく四温かな

温かい、まるで春のような雨だった。

土さえしっとりとして、熱を帯びてきたような精気を感じさせる。
心の中では、もう春だ、春だと叫んでいる。
今年は明後日三日が節分。暦のうえでも春がそこまで来ている。

ドーナッツ

四温とて雨降らぬことなかりけり

ようやく暖かい日になったかと思ったが雨に変わった。

午後からの予定もキャンセルとなって、たちまちやることもない退屈な日となる。
鳥も来ない窓の外は味気もなし。
昼にドーナツを二つも食ったら腹も空かなくなった。
どうしようもない2月の始まりとなった。

くるくると

朝と昼風向き変はる四温晴

一日の内で温と寒を味わう。

そんな一日ではなかったか。正午を境にはっきりと風向きが南から北に変わって、午後の散歩の風が耳を切るように痛い。
当たり前の話だが、天気の動きは決して24時間単位ではない。
これを書いている今はもうその風も穏やかになった。
なんと目まぐるしいことか。

盆地の霧

雨続き明けて濃霧の四温かな

明日からは寒さが戻るという。

前にも書いたが、今年は絵に描いたような三寒四温のリズムがはっきりしている珍しい年である。
ちと違うのは四温中に雨が多く、これはいわゆる南岸低気圧のもたらす形となっていることで、まるで春の雨が一足早くやって来ていると言うことだろうか。
昨日の朝だったか、雨続きの朝が晴れて盆地は深い霧に包まれた。空気中に水分が多いときに一気に気温が上がると発生するということだが、いつものように朝のいつの間にか消えているという塩梅の盆地である。

春の足音

四日目となれば四温のありがたき

今週は暖かい日が続くという。

さしずめ今日は初日の一温になるが、これが四日目まで続くとなると寒のなかだけに春がそこまで近づいている実感がます。一般には三寒四温というのはむしろ立春以降の日々に言うことだという感が強いが、どうして立派な冬の季語なのである。