健気

ひしめきて黄ばむばかりの余り苗

それにしても大量に余ったものだ。

その余った苗を一カ所に集めたらこんなになったのだろう。
機械植え用の苗床というのはサイズが決まっていて、30センチ×60センチくらいの大きさに統一されている。それがそのまま固まりのまま田の隅に植えられているようである。
どの苗も肥料も切れて黄ばみはじめていて、いつ出番ともしれない哀れを伴う。
一方の植えられた方はと言えば、苗代の窮屈さから解放されて、生き生きと緑の葉を伸ばしている。
余り苗が使われることがないのはもちろん農家にとっては一番いいのであるが、成長もできず片隅で肩寄せ合ってほそぼそと生きているのも健気なことよと思うのである。

手植えか機械植えか

田植機の届かぬ隅の余り苗

とりあえず機械が入る部分は植え終わった。

隅はまだ植え残っているが、そこにひとかたまりの苗が置いてある。
おそらく明日か近いうちに手植えでもする予定なのだろう。そうなると、「余り苗」とも「捨苗」とも言えないかもしれないが、少なくとも今は余り苗である。
手植えされた田と機械植えの田の見分け方を聞いた。
真っ直ぐに等間隔に植えられているのは手植え、機械植えはどうしても真っ直ぐにはいかずグネグネ曲がっているのだという。そう言えば、糸を使って定規代わりにしていた光景を見たことがある。今はどうしているのか知らないが、何らかの定規や印をつけて植えるのだろう。

繕う

とろ舟の余り苗曳く田守かな

植えた苗がうまく根付いているかどうか調べているようだ。

紐の付いたとろ舟に余り苗を乗せ、田の泥の中を曳いている。機械ではうまく植えられなかったり、生育が思わしくないところを植え足しているのであろうか。