防護

床屋嫌ひの髪をのぞかせ冬帽子
はち張りの七難隠す冬帽子

何年も同じ帽子をかぶっている。

形がよくて気に入ってるわけでもないのだが、耳まですっぽり包み込んでくれるのが暖かくてもう十年以上の愛用品である。とくにここ数日は身が切れるように風が冷たいので必需品である。
若い頃から帽子はわりと好きなほうで、一時はハンチングを愛用してもいたことがある。夏でも冬でも必ずと言っていいくらい帽子をかぶる。逆に、この寒空や酷暑でやや薄くなりかけたひとが無帽でいたりするのをみたりすると大丈夫なのと心配してしまう。
帽子は暑さ寒さから頭を守ってくれるだけでなく、ものにぶつけたりして傷つくことも防いでくれる。気候が極端に触れるようになった昨今は積極的に着用して身を守りたいものである。

作句

冬帽子閉店セールで求めけり

閉店セールといいながら実際には閉店などしなかったり。

あげく改装オープンセールと銘打ってまたセールで客を呼ぼうとする。
そんな手口は見えているのだけど、いかにもワゴンなどに安そうな品物などを並べられるとつい手がでてしまう。そんなことはありませんか。

掲句は奈良町散策しているとき、仲間がたまたま帽子を忘れてしまって寒さしのぎに買ったときに浮かんだもの。出来不出来はともかくとして、作句というのはこんなふうに簡単に詠むのが一番だと思う。

寒気をついて

大和川出会ふ人みな冬帽子

大和川の堤防、河川敷をウォーキングする人が多い。

信貴山から冷たい風が吹き下ろしてくるが、最近はダウンの上着など着ているのでかなり緩和してくれる。ただ、頭、耳、首回り、手は帽子、マフラー、手袋などで補わないとちぎれるような痛みに襲われてしまう。行き交う人々がみな耳までおおう暖かそうな帽子をかぶっているのは、今年が殊の外寒い冬であることを示している。