改良

午後よりの籬影なす冬の薔薇

ヒバの生け垣に沿ってバラが展開している。

午前中は日がいっぱいにあたるのだが、午後になると生け垣が影を作り寒々とした空気が漂う。
こうした条件のせいかどうか、意外に花保ちがよくて寒に入ってもまだ咲いている。品種改良盛んなバラのことなので、こうした冬に強いものが増えてきているのかもしれない。
この分で行くと、寒さえのりきって春まで保つかもしれない。

寒空に

かたくなに散るをこばみて冬薔薇

最近の薔薇は冬にもなかなか強いようである。

そういう品種なのかもしれないが、公園の薔薇は12月も半ばというのにまだ多くの蕾を付けていた。
ただ、気温が低いためだろう、蕾のままでなかなか開きそうもなく、咲いたら咲いたでなかなか散りそうもなく枯れたまま枝にしがみついてもいるように見える。
室内に持ち込んだら蕾だってきっと早く開くにちがいない。

写真のバラの名前は「テキーラ」。なんだか南国めいてきたが。

晩秋真っ盛り

冬薔薇香り保てるものさへも

通りがかりの薔薇園から強い香りがした。

冬とはいっても実体はまだ晩秋だからだろうか。真冬にはまだしばらくはあるこの時期、いろいろな種類の薔薇が咲いているなかには、強い香りを放つものがあるらしい。

バラの手入れ

色褪せたままに咲きをり冬薔薇

ドライフラワーになったのではないかと見紛う、蕾も花も時間が止まったみたいなバラが路地に咲いている。

あまりの低温に葉も赤茶けてはいるが間違いなく生きているのが哀れだ。せめて冬になる前に剪定しておいてやれば、春にはしっかりした枝を伸ばして立派な花を咲かせるだろうに。そういえば月が改まればそろそろ寒肥の時分だ。

住人が高齢化して庭木の手入れさえ覚束なくなっているのかもしれないな、などと思いながらその場を去った。