穭田に

屑藁に鳩群れ落ちて冬近し

最近田の近くで鳩の群をよく見るようになった。

今日も電線の鳩たちを見ていると、二三羽の先兵がまず田に降りたって屑藁に嘴を突っ込む。安全とみた他のものもつづいて降りたってくる。
刈田は穭穂の緑が目立つようになっていよいよ秋の深まりの感を濃くしてきた。
鳩たちも冬に備えて落穂を探っているのであろう。ひと月もすれば野は枯れ餌を得るのも難しかろう。
鳩たちは秋の一と日を急いでいるのである。

冬近し

羽二重の嬰のこぶしや冬隣
シャツのボタン首までかける冬隣

朝晩の気温差が大きい日が続く。

昼間は二十度くらいとなるのでまだまだ秋だと思うが、朝晩の冷え込みはもう冬がそこまで来ていると思われる。
暑い、暑いと言っていた夏だが、気がつけばいつの間にか立冬の七日は目の前に来ている。
長袖のシャツのボタンも首までかけなければ肌寒く感じるこのごろである。