啓蟄の雨に凍ゆる日なりけり
今日は啓蟄だが、雨で寒い一日となった。
すでに野では蛙の声も聞かれたが、こう寒くては餌となる虫も少なく本格的な活動の日は遠のくばかりであろう。
人間とて同じで、こう雨が多くては予定していたものも思うに任せず気ばかり焦りもどかしいことである。
ここのところ句会の成績もぱっとせず、雨をさいわいに次回の題に相対して作っては消し、書いては消しの一日を過ごした。
即吟も大事だが、このようにいちどいくつか詠んでみると次の日にはまたあらたな角度へと広がることも多く、何とか形になるものが見えてくるときがある。
目指せ五千句も質を問われれば限りなく先のことではあるが、まづは十三年ここまで続けて来れたことをもっておのれを慰めているのである。