死神の灯

燭台に蝋固まりて寒に入る

蝋溜まりの蝋を掃除した。

何ヶ月かに一回の作業だが、これがなかなかきれいに取れないものである。今日調べて見たのだが60度以上のお湯で温めればきれいさっぱり取れると知った。分かってみれば眼から鱗である。
一日わずか五分程度灯すだけの燈明だから毎回というわけではないのだが、いよいよ蝋燭の最後となってきれいに燃えてくれれば蝋が溜まることはなく、そのためには燃え尽きるまでそばに付いていなければならない。
落語『死神』の落ちの部分では、蝋燭の炎が尽きるときが命の尽きるときというシーンがあるが、蝋燭が最後に燃え尽きるまでの時間というのは待てば意外に長いのである。へたすると勤行よりも長く時間がかかるので、とても付き合ってられないということがある。
かくしてじょじょに蝋が溜まり、そうなるとやはり見苦しい。
本来なら年末にさっぱり掃除するのがいいのだろうが、あいにく燭はまだ使える状態であったので正月早々の掃除となった次第である。
今日は小寒。これから一ヶ月あまりが寒中。春はもう近い。

寒入り

上弦の月は雲間に寒に入る

風呂場にいると僅かの気温差が分かるものだ。

今日は寒入りだが、特別寒さに震えることはなくゆっくり体を洗うことができた。
雲が空気を逃がさないでいてくれるのだろう。
ただ、明朝は冷え込むというから、今夜まだ覆っている雲が晴れて例の放射冷却が起きるんだろう。