煤逃げ

数へ日の夕飯ははて何にしよ

年賀状でも書いているのか、午後五時を過ぎても居間に降りてこない。

夢中になっているうちにすっかり日も暮れてしまって、開口一番「晩ご飯、何にも決めてない」と。
大掛かりな大掃除などはもう何年もやったことないが、それでも多少は身の回りのものを片付けたり、軽く拭いたり、この正月は久しぶりに子供たちの帰省もあるから、その準備も。また明日あたりからはお節の準備もぼちぼち始まるだろうし、主婦の忙しさは亭主のお気楽さの比ではない。
亭主は煤逃げと称して猫どもを相手に遊んだり、へたな俳句を詠むのにご執心で。
ああ、年末の主婦は大変だ。

できあい

数へ日のちらし一面赤き文字

家人によるとようやく正月ものがスーパーに上がるようになったと。

そう言えば、チラシを見てもどこか隅に追いやられている。こんなことは昔なら考えられないが、客の多くがシニア世代の我がスーパーではいよいよおせちも作らなくなってき家庭が増えてきたと言うことか。今ではできあいのお節も簡単に手に入る時代でもあるし。あるいはコロナ禍でいつもなら帰省していた子息も足が遠のいているということもあるのかもしれない。
そんなことを家人と話ながら、折り込みのチラシをあらためてしみじみと眺めるのであった。

老々看護

数へ日や手術の前のあれやこれ

年明け早々家人の手術が決まった。

そのための検査や事前説明やらあれこれの予定が押し詰まった年内の予定に加わった。
以前にも同様の手術を経験しているのでやる内容はほぼ同じだが、今度は利き手の側の腕になるだけの違いである。ただしこのたびは事前のPCR検査も必要になって正月早々もあわただしいことになりそうである。
さらに、利き腕だけに当分家事はむずかしいことになるので主夫が代役を務めることになる。半年程度は家人の指示通り腕を動かすことになりそうである。
年明け早々老々介護ならぬ老々看護の日々が始まる。

父母へ

数へ日の線香を足すお仏壇

今朝の最初の仕事はお仏壇の浄め。

線香立ての灰を捨て、燭台の蝋涙をかき落とす。内部をきれいに拭き浄める。位牌を磨いて、最後は新しい線香をつぎ足すのである。
父母や妹にはすっきりとした正月を迎えてもらえるだろう。

交換インク予備ある?

数へ日のシアンのインク黄が灯り

数え日というにはまだ早いかもしれない。

先生なら通信簿つけて学期末の雑事に終われる頃か、サラリーマンなら世渡り上の忘年会も一段落、懸案の案件もどうあがいてもどうにもならず持ち越しと腹をくくる頃か。あるいは、賀状が元日配達されるかどうかの瀬戸際にある頃から、無意識にせよ感じる年の瀬のせわしなさをいうのかもしれない。
その点時間がたっぷりある毎日が日曜派となれば、数へ日とは無縁。主婦なら別だろうけど。

それにしても、プリンターのシアンのインクがどんどん減ってゆくのが気にかかる。交換インクの予備は合ったっけ?

句会もう一つ

数へ日や新たな句会誘はれり

今年も残るところ10日を切ったところで年末の句会のお誘い。
六句出句が条件とは大変だが、年末の句会顔見せでいきなり納会付きとは楽しそう。

さて、二年目の「今年の句」を今日明日と二回に分けて披露したいと思う。
まずは今年前半のなかから。

対岸のひとには負けじ寒稽古◎
本堂の土間に残りし寒さかな◎
一度だけ咆へて了んぬ春の雷◎
苗売の言ふままあれもこれも買ひ◎
野遊や薄紅引ける石仏
ジーパンに着替へ宮司の花衣◎
国ン中を鎮め大和の花筏
空瓶に一輪活けて椿守◎
保護したる子猫の顎の強さかな
きれぎれに瀬音混じりの河鹿かな◎
 ◎は俳句会入選句
 一部手を入れたものあり