新緑に百年ピアノの轟けり
奈良女子大記念館は年2回一般公開される。
さきごろ春の公開があったので見学する機会を得た。明治42年竣工の建物は道路からも東正門の真正面に見え、いかにも歴史を感じさせる建物だ。
一階には校長室とか応接室があり、二階は講堂でここに創建当時のピアノがおかれている。このピアノも建物同様手入れが十分されていて今でも現役だ。たまたま訪れたときは「乙女の祈り」を弾いている人がいたので、てっきり事務局が手配した人が弾いているとばかり思っていたら、実は飛び入りの人だったのを後で知った。この公開中は誰でも弾いていいことになっているそうだ。
門から記念館に向かって右にあるヒマラヤ杉はいつ見ても見飽きないほど立派だが、今の季節の新緑はさらに見事で、構内全体がすこぶる新鮮な空気に包まれることになる。