間抜け

忘れ物取りに行く日の盛り

金輪際出ないと決めて以来。

日中こもりきりの日がもう何日か続いている。
夕方五時が過ぎて、もし風もあって日中の熱さが残っていなければ出てもいいが、あいにく夕方は夏至から二週間も経つと早く暮れかかってくる。人として活動できる時間が夏が深まるにつれて短くなるという皮肉。
こんなとき電車に忘れ物などして終点の駅まで来いと言われるようなら、どれだけ間抜けなことか。

七つ道具

棟上の材山と積む日の盛り

隣地に吉野材を使った家が建つという。

週末が上棟式になるとの工事告知を聞いた。
今日はその構造材が運び込まれて、どれも立派な木材である。梁材などもいかにも丈夫そうである。
工場であらかじめ加工しているので、カンナ、鋸、鑿に代表される大工さんの七つ道具もあまり見られなくなった。墨壷などはさらに遠い昔の話になる。
祖父が大工だったので、現場で墨をつけ鑿でほぞを作ったり、カンナ台が床にどでんと座っていた時代が懐かしい。

灼ける

撫牛の親子腹這ふ日の盛り
撫牛の手を引っ込むる炎暑かな

今日は堺市の天神様境内での句会。

梅園の梅の実はおおかた採取されたのだろう、取り残された実がぽつぽつと落ちて黄色く変色しているのが見られる。
会場に向かう前に天神様に手を合わせたあと、石や青銅の撫で牛に触れてみると、これが大変熱い。ここ2,3日梅雨の晴れ間が続いていて、今日などは気温もあがっているせいだろう。形だけのお詣りにとどめて失礼することにした。