着古しの雨に濡れたる案山子かな
このところ趣向こらして人間的な案山子が数体立っている。
稲刈りを目前に控え二週間ほど目を光らせているようで、その効果か、稔りは順調のようである。
すぐ隣は昨日稲刈りが終わったばかりで、稲架にたわわに成果が架かっている。
案山子田は春は一面は紫の蓮華に包まれ、秋はこうして案山子の風景。隣の稲架といい、今の時代に珍しくも光景が一カ所に凝縮しているのが貴重である。
一段高いところにある小学校校舎からは、彼岸花が姿を消した後も昔ながらの棚田の風景を眺めることができるが、子供たちには大きくなってもそれは最早当たり前ではなかったのだということを知っておいてほしいものである。