国産

食そそる島の檸檬の隠し味

やっぱり輸入のレモンはだめだ。

檸檬は国産に限る。
香りはもちろんだがテーストだってまるで違う。
いい檸檬とは囓っても酸っぱくないのだから。
ベランダで育てている檸檬が初めて生った。それも4個もだ。とりあえずの一個をもいで食卓の料理に使われたようだ。口に運ぶと上品な香りがかすかに鼻をついて俺が俺がのいやらしさがない。
跣足ではとても歩けない熱々のベランダでよくぞここまで育ったものだと労いながら、いつもと変わらないメニューがひと味違った物二感じた。
来年は鉢増して養生してやらねばと思う。

小さい手榴弾

B品の侮るまじく瀬戸の檸檬
藻塩焼く島の檸檬の無骨なる

皮も厚くて見た目も無骨。

ところがである。食べて愕く味の良さ。
数年前に知人から分けてもらった檸檬の味を知ってからというものは、ぴかぴかに磨かれて見た目にも美しく黄色に光っている輸入ものをいっさい口にすることはしなくなった。

見た目が悪く市場には出せないというB品とされるものでも、その味は絶品。酸っぱいといっても丸かじりできるのだから不思議だ。
その小さい手榴弾を書店の棚に置きざりにするなどとは、とてももったいないことである。

予約投稿二日目。

国産

鉢植えの青き実ひとつ檸檬成る

台風対策のため早めに植木鉢を退避させた。

去年植えたレモンの苗木に今年いくつか実がついたが、収穫までに無事残ったのはわずかひとつ。やや黄味がさしてきたようだが、退避ついでに手でもいでみた。おそらく今夜の食卓にのるだろうが、輸入物と違って自然栽培のものはそのまま丸かじりしても酸っぱくないのが嬉しい。

「レモンは酸っぱい」という固定概念があるのは、安いからだと言うので昔から未成熟なものを収穫して長い時間をかけて寝かせている輸入物に頼っていたからだと思う。
少々値段は高くても、レモンは国産に限る。たとえ形や色つやが悪くてもだ。