カラカラ

片陰を出ろと電柱仁王立

少しでも陰にいたい。

そんな日が延々と続く。永遠に続くのではないかとさえ思える。長期予報では10月も気温は高いという。
今年も秋は短く暑い暑いと言ってるうちにあっという間に冬がやって来そうだ。
人と会えば交わす言葉が申し合わせたように「暑いですねえ」。
暑い上に天の恵みの水もなく、胡瓜もトマトもどんどん終わりの時期を迎えてきた。茄子も秋に備えて早々と更新剪定。
干からびてカラカラの畑は見たくないものだ。

気合いだ、気合いだ

片陰を遮るもののゐたりけり

午後の日差しが強烈だ。

とくに11時から2時頃までは出歩く気がしないが、やむを得ず外出するとなれば自然に陰を選って歩いている。
ただ、2時をまわって3時とか4時頃となると陰も十分できて、少しの風の後押しがあればずっと楽になる。
今日も今日とて、上り返しの一番少なくかつ陰の多いルートを選択。
息も上がらず無事帰宅となった。
それにしても、この暑さ、当分続くことを思い合わせると念力の緩まぬように「気合いだ」「気合いだ」とムチを入れつつ、八月を迎えることになる。

蒸せる街歩き

片陰に老母いざなひ二人旅

片陰を選んでもコンクリートで固められた街を歩くのは容易ではない。

それでも、直接陽に当たるよりかは幾分かは救いとなる。
奈良町などではさすがに真昼時は人通りがすこしばかり減るが、この街を目当てにくる観光客も多く、路地から路地へ少しでも陰を選ぶように散策しているようだ。

せめぎ合い

片陰のよるべあえかな亭午かな

じりじりと焼けつくような日差し。

5分と立っていられない昼間、入道雲も今夏一番のもくもくと。
車を止めて家人を待つ間陰を探そうにもハイヌーンとあっては当てにもできず、早々にビルの中に避難してしまった。
毎夕水やりしている苦瓜も南瓜の葉もげんなりしてまるで生気がなく、やはり西日本の暑さは折り紙付きだ。

夕方になってようやく日中の暑さがおさまるとまた元気を取り戻してきてほっとするが、ふと頭を上げるともう入道雲の姿はなく秋の鱗雲すら浮かんでいた。まだまだ夏に分があるとみえるが、やっぱり少しずつ秋とのせめぎ合いも始まっているのだと思える。

梅雨晴間

片蔭をなすすべもなく破築地

空梅雨で、しかも気温が真夏並とあれば植物にとって過酷な環境となる。

しなびかけた紫陽花

元興寺・極楽院前の築地塀沿いに咲いていた紫陽花は、気の毒なことに正午の強い日差しを真上からあびて萎びかかっていた。

真昼の外出

身を入れる片陰ぞなき真昼かな

片陰というのは真昼には見られない。当然のことだけど。

用があって昼前後に外出せざるを得なかった。行きはいいものの帰りとなるともういけない。
陰を選んで歩こうにもその陰がまるでできないのだ。

上りの道を喘ぎ喘ぎ帰るのだった。