年中行事

浸水のレベルのしみや秋出水

毎年のように繰り返される土砂災害や川の氾濫。

ここまで水が来たと住民が指すニュースが痛ましい。このあと復旧作業という途方もない日々が待ちうけている人々の無念はいかほどか。
二年前は西日本豪雨と命名され中四国地方にかぎられていたが、今回は被害が広い範囲にわたっており日本のどこでも同様の災害が起こりうることを示した。これほどの規模の災害はこれからも年中行事のように発生すると覚悟しなければいけないようだ。

アプリでチェック

国ン中の忘れた頃の秋出水

雨の少ない奈良盆地。

ところが、その滅多に降らない雨がときに大雨になると、たちまち各所で冠水の報が聞かれ、電車も止まる。
古くは海、そして湿地であった土地だから、唯一の雨のはけ口大和川に流れ込む多くの川は小さく底も浅い。
だから、総雨量100ミリ程度でも短時間であればすぐにあふれてしまうのだ。
今朝は雷と猛烈な雨の音で目覚めたが、1時間程度でおさまった。この雨雲が盆地中央部から桜井の初瀬街道沿いに東進したようだ。
最近は雨雲レーダーで雨雲の行方を教えてくれる便利なアプリがあって、状況がすぐにチェックできるのがありがたい。お勧めアプリである。yahoo防災あるいはNHK防災とあるが、yahooの方が操作メニューが浅い分使い安いようである。

鍾乳洞のある町で

北海道少なきはずの秋出水

災害直後の町長の発言に驚いた。

「台風のピークを過ぎていたので、こんなに雨が降るとは予想もしなかった」。
今では、文字放送、災害アプリなど雨雲を捉えた情報が簡単に得られるというのに、その確認さえ怠っていたことになる。
町長ですらそんな認識では、災害対策本部はいったい機能してなかったのではないかと疑われる。
ここ数年は、いわゆる異常気象多発で、記録したことがないほどの雨、風、波などの警報が盛んに出されている。まして、このたびは数日前から東北地方に初めて上陸する恐れについて警告が出ていたのである。
九州など西日本では雨が多い地方とちがって、相対的に雨の少ない東北や北海道ではこれほどの雨への対策はされてないという。大津波でもそうだったが、今や想定以上の事態が頻発することを念頭に置いておく必要がある。
今日になって、「暗くなっての避難指示は危険で出せなかった」という発言があったが、責任逃れのための付け足し感が否めない。
労働災害の世界では「ひやりはっと」事例も管理項目に入っていて、日常から危険予測能力を高める努力がされているのに、天然災害に対する自治体はどうか。
町名を聞いただけであの有名な鍾乳洞があるところだと分かったが、一日も早い復興を願うばかりである。

フラッシュバック

陸(おか)からの救助断たれて秋出水

4年前の光景がフラッシュバックした。

家人に知らされてテレビのスウィッチを入れたら、鬼怒川決壊の空からの生々しい映像を伝えている。
鬼怒川が利根川に合流する手前で、あたり一帯が水没している。
当地でも昭和57年に王寺駅一帯が水害に見舞われたことがあり、その原因も大和川の勢いがまさって流入がせき止められた支流から溢れたものだった。
午前中のニュースを聞いていてそんな話を思い出して、同じようなことが起こるのではないかと心配していたら果たしてその予感が当たってしまった。

利根川と言えば、いつもの散歩コースにしているキヨノリ君の方で被害がなければいいんだが。

想像を超えて

毎日のよふに竜巻秋出水

埼玉から千葉にかけて大きな竜巻の被害があったようだ。

あのあたりは昨年の竜巻の大きな爪痕もまだ記憶に新しい地域で、もしかしたら通り道になっているのかもしれない。この奈良でも2年前十津川村など100年に一度という大水害に見舞われたが、今年のニュースを見ていると「今までに経験したことがないような」雨や風や竜巻などが各地で頻発しており、新しい警報システムもすぐに見直しを迫られるのではないかとさえ思う。

自然の猛威は容赦なく,我々の経験や予想をはるかに超えて全てを粉々に破壊してしまう。心してかからねばならないのだろう。