讃岐の造伝説

皮脱いで竹林いまだ伸び盛り

地中からすっと伸びた青竹。

伸び代の大きな先より皮を脱ぎながら上へ伸びてゆく。
だから、伸び代の期待できない下の節には脱げそうでなかなか脱げない皮が残っていることが多い。
半分ほどめくれ上がっているが、いったい何時になったら落ちるのだろうか。

かぐや姫の里と伝わる神社の近くに大きくはないが、きちんと手入れされた竹林を見つけた。
鶯の声が竹林に耳にも快く響く。

竹取

竹の皮脱ぐ用意なる捲れかな
めくれたる程にて竹の皮を脱ぐ
竹の皮脱ぐにしばしの未練あり

真竹の若竹
生駒市高山地区は茶筅の全国生産90%をしめるという。

生駒市が運営する高山竹林園に行ってその歴史を知ることができたが、室町時代に佗茶の祖といわれる村田珠光が依頼したものが、時の後土御門天皇の目に止まり、以来明治に至るまで一子相伝で伝わってきた伝統的技法に支えられているという。
明治以降になって茶道具だけでなく編み針も生産されていて、展示されていた製品はどれも精緻な技能に裏打ちされているのを実感するできだ。
金明孟宗竹

皮脱いで茶道具となる竹の里
皮脱いで金明竹や黄金竹
竹の皮脱がば佳人の宿りせよ
皮脱げば月の佳人の宿る竹
皮脱ぐや月の佳人の黄金竹

園内では、いろいろな竹の種類も見られて、珍しいものでは、金明孟宗竹といって黄金色の棹に緑の縞が入ったもの、さらに黄金竹という真竹の種類で金色しているものなどが目を引く。この金明竹はかぐや姫が眠っているのではないかと思えるくらい金色がみごとであった。

エコな包装

一陣の来たれば落つる竹の皮
一喝もせざるに脱ぎし竹の皮
竹の皮脱いで今より初冠

竹の皮
竹の生長は早い。

成長に従ってその皮は下の方から抜け落ちて行く。つまり、抜け落ちた節の部分はもう保護する必要がないというわけだ。
この竹の皮はかつてはおむすび弁当や精肉店の包装などに使われたもので、今では実生活ではほとんど使われるのを見なくなったが、あの清涼感というか清潔感は今となっては大変懐かしい。