口汚し

葭切や権座通ひの水脈引いて

いつものZOOM句会の日。

毎回二つの兼題が出されるのだが、「葭切」という題は一句も作らなかった。というのも二つ目の「オリーブの花」に無謀にも全十句出句したからである。
オリーブの花を庭のシンボルツリーにされているお家もあるが、やはりオリーブと言えば瀬戸内、それも二十四の瞳の小豆島のイメージから離れることができない。この染みついたイメージからなんとか逃れるべく悪戦苦闘したというわけである。
結果、可もなく不可もなし。満足できる句は授からなかった。
口汚しのつもりはないが、葭切の習作である。

絹の道は今

葭切や支流いくすじ河合町

大和川の大阪部分は知らないが、盆地内では本流には葭切の姿はあまり見ない。

どちらかというと、富雄川、秋篠川、佐保川、飛鳥川、曽我川、葛城川といった支流にはよく見られる。
さらに、平城宮跡、藤原宮跡といった凡そ川というイメージから離れた場所にも多い。
大利根にしろ、淀川にしろ、大河のイメージがつきまとうが、意外なところ、もっと身近な所に多いのである。

もうひとつ、これら盆地内支流はかつて舟運で栄え、初瀬川、佐保川などはシルクロード終の路でもあるのだ。土砂が堆積して今ではとても想像できないが、西域から運ばれたさまざまな文物がこれら支流を遡って運ばれていったのである。