夕虹

太き虹立つていいことありさうな

昨日夕方帰ってきたら珍しく太くて立派な虹が眼前に見えた。

一方の足は畝傍山あたりにかかり中天で消えているが、アーチの大きさからいうとその延長は春日山辺りをさしている。
最近よく二重虹を見るのだが、今回のはまぎれもなく一本の虹でしかも輪郭がはっきりしている。
橿原のあたりに夕立があってそれに夕陽が差し込んで生まれた虹で、我が家の位置からは日を背負うのは夕方なので朝虹は見ることはできない。朝虹は西に向かって見えるので天気が崩れる方向、逆に夕虹は明日の天気を約束するのだと言う。
案の定今日はからっとした天気で、近畿地方の梅雨明けが宣言された。
さあ気を引き締めて夏に向かっていこう。

さきぶれ

短くも雲間にしるき虹たてり

台風のさきぶれの雲間に突然夕虹が現れた。

アーチをかけるほどには長くはないが、色彩の豊かさ、その際だったコントラストがかつて見たことのないほどの見事さで思わずスマホで撮影。だが、スマホのカメラで切り取るには短かすぎて迫力が出ないのが残念である。

艶ある虹

三輪山に夕虹立ちて神さぶる

昨日は若草山、今日は三輪山に。

名のある山に虹がかかれば趣も増す。
とくに今日の三輪山の虹は見事な形、申し分ない色であった。
榛原での句会の帰り途、車窓にそんな立派な虹が立って、一同声を上げるのだった。台風一過とはとても言えない、重ったるいほど湿気がまとわりついて不快な気分を吹っ飛ばしてくれるのに十分であった。
この三輪山の巳さんは好色な神さんとしても知られていて、なんだか、今日は美しい女神を得て得意の絶頂にでもいるかのようにも見えて、なかなか色っぽくもある。
虹にこういう艶っぽい印象を抱くのは初めてで、物語でも生まれてきそうな気さえしてくるのであった。

梅雨明けは近いぞ

片虹の春日の森に拠りたまふ
虹指して語らふ者のなかりけり

盆地ではあまり大きな虹を見たことがない。

盆地の西の端に住んでいるせいか、時間はどちらかというと太陽を背にすることになる午後で、方向は若草山方面のことが多い。
もともと雨が少ない地域なので、虹の出る確率も低く、数えるほどしか見ていないし、見つける機会も少ない。貴重な現象というわけで、出ればしばらくは見入ることになる。

今日もかんかん照りで虹が出る幕はなさそうで、部屋で気息奄々となりながら暑さをまぎらし、ようやく夕方を迎えることができた。このまま梅雨が明けてしまいそうだが、明けたら明けたで、今まで経験したことのないような梅雨明けの熱さに泣くのだろうか。

夕立来い

ウェディングに虹のアーチやオアフ島

午後になって吉野・大峰の方向の空模様がおかしい。

黒い雲が湧いてきたようで、山の姿をすっぽり隠してしまった。
その雲がだんだんこちらにも近づいてきたので、もしかすると夕立があるかもしれない。
昼間いくら暑くても夕立が降ってくれれば多少は楽になるのにと思う。

もうずいぶん前に、親戚の子がハワイで結婚式を挙げるというので親戚一同ハワイ旅行を楽しんだが、披露パーティが終わって街を歩いていると二重の虹がかかっていたのを思い出す。虹はオアフ島の定番らしく、一日のうちに必ずどこかで雨が降っているらしい。
盆地の南半分の暗い空がこちらへやってきて雨を降らすのではないかと淡い期待を寄せつつ、とうとう4時になって我慢しきれずに書斎にエアコンを入れて引きこもることになった。

台風が過ぎてゆく

虹立つと吾呼ぶ声の二階より

台風が今ごろはちょうど真南の方にいるらしい。

ところがいっこうに荒れてくる気配がないのはありがたい。それどころか、さっきなどは飛鳥の方向に太い虹が立つのがみえるのには驚いた。雲間から僅かな光りがもれた、ほんの短い間に二回も現れてくれたのだった。
西のほうが暗くなってきているので多少は降るかもしれないが、奈良盆地への影響は大したことはないように思える。