乳根の神木

洞すらも朽ちかけ神の銀杏かな

一言さんの乳銀杏が黃葉してないかと訪ねた。

神職の話によると、例年11月下旬が見頃だという。
地理的にいうと葛城の山裾にあり、盆地より高い位置にあるので気温も低く一般より早く黃葉しそうだが、樹齢千年を超え、しかも倒木寸前まで樹勢が弱っているのが原因だと思われる。

盆地に降りれば、やはり銀杏は盛りまであと1週間くらいかと思える黃葉具合である。

黄色い鏡

雨のみち黄色く染める銀杏かな

雨に濡れた舗装路が歩道の銀杏の黄葉色に染まっている。

1キロくらい続く銀杏の並木道はまるで鏡となって銀杏色の光を反射している。先月にも詠んだ住宅地の道路なのだが、その黄色が一段と深まるとともにところどころの木の下にはギンナンの実がびっしり落ちている。なかなか大きな実なのに近所の人は誰も拾わないのだろうか。

秋本番

坂はるか銀杏並木の色づきぬ

秋が駆け足でやって来ている。

自宅とは大和川を挟んで対面にある丘には大きな住宅地があって、西名阪道香芝ICに出る際のショートカットにもなっているのだが、昨日久しぶりに通ったら街路樹の銀杏がもう黄葉半ばという風情で、とびとびにある雌木には葉の間から小さな実がいっぱい顔を出していた。
暑い暑いとこぼしていたが、昼と夜の気温差が大きい土地では早くも秋たけなわの様相を帯びてきているようで、これからどんどん秋が深まっていくのだろう。

何をするにもいい季節を迎えた。

いろづき始めた並木道

天辺にいくほど銀杏の残りゐて

街路樹の銀杏の木が薄く黄葉し始めた。
その下には熟れた実がいくつも落ちていたが、実がちいさいせいだろうか、誰も拾わないのかしらん。
あるいは、都会の人はあの匂いに閉口してしまって敬遠しているのかな。

そういう自分も素手ではちょっと持ち帰る気がしなかったが。