葉陰に覗くもの

青柿の細枝撓む若木かな

人の背にも届かない柿が実をつけている。

見たところ、3、4歳の若木だが、隣の老木に負けない強さがある。
柿は八年というが、今ではホームセンターで売られている苗木でさえ実をつけていることがある。接ぎ木によるところが多いのであろう。
野菜では苗の成長を優先して、一番果は小さいうちに摘んだり、採取したりすることが普通だが、接ぎ木であればそのような配慮もしないで済むというものだ。
はたして、落ちることなく秋まで残るのはどれだけあろうか。

摘果のタイミング

青柿の多く落つるも枝になほ

柿というのは花もそうだが実もそうである。

何がって、よく落ちるのである。
今年はよく花がついたなあと思ってると、花が小さな実をつけながらどんどん落ちてゆく。また、それがなんとか残って実がどんどん大きくなっていっても、そのはしからどんどん落ちるのである。
だから、歳時記などをみても「柿の花=青柿=落ちる」というイメージの例句が多い。
掲句もそうで、もうこれ以上落ちないかと思っていても、木の下を見るといつの間にかまた落ちている。だから、柿は摘果すべき果物だと分かっていてもどのタイミングで摘果していいやら素人にはよく分からないものなのだ。

かくして、摘果しないでいると思ったより実が成ったりして、その分小さな実ばかりしか収穫できないというような事態を招いてしまうのである。また、それが翌年は花が咲かない、結果しないというような柿独特の隔年結果に陥りやすい。

今日は吟行句会で東吉野へ。予約投稿である。