休刊の朝のコーヒー風光る
郵便受けを開けるまで忘れていた。
今朝は休刊日だと。
朝食を終えすることもないので窓の外に目をやると、午前中は晴れだという空が底抜けに青い。
気分よくして外へ出ると、寒くもなく暑くもなく快適な朝である。
すっかり若葉を広げた楓が陽の光をあびてキラキラと輝いている。今日もまた銀色の蜂が姫踊り子の密をせっせと集めている。しゃがみ込んで動きをみているといつまでも飽きないが、足長蜂がやってきたせいか慌てて姿を消してしまった。こうしてミクロの世界では生きものたちが生存をかけて懸命に生きている姿に思いをはせることしばし。
目に見えない空気さえ今日は光って見える。風の春である。