ローカル線縫い刺す県道麦の秋
伊賀盆地のいまは稔りを迎えた麦田と植田が混じって美しい。
周りの山々も緑をいよいよ濃くし、心が安らぐような安心感を覚える。
ふだんならば盆地を抜けるのに15分もあれば十分足りるのだが、工事渋滞で伊賀から甲賀へぬける道をたどった。今はローカル線格に落ちた感ある関西本線の単線の踏切を越える道は麦穂と植田の間を抜ける道でもある。
知らない道を走る不安を全く感じないのは、自然のゆたかなふところに身をゆだねているからかもしれない。
やがて、目の前に第二名神のコンクリートが現れると、気が引き締まると同時に現実にかえったような気がした。