立ち退きは残り一軒黄水仙
住宅街の一画に日本料理店があった。
通るたびに、こんなところで商売になるのだろうかと不思議に思っていたが、いきなり取り壊し工事が始まって、あれよあれよいう間に更地になってしまった。
県道とはいっても大型が通行禁止になるくらい道幅が狭く、ここは拡幅工事が予定されているところ。
すでにかなりの家が立ち退いているようで、いずれ店じまいが余儀なくされていたのだろう。
なにもかもなくなった更地だが、玄関脇の植え込みが僅かに形をとどめていて、そこには黄水仙が肩を並べるように咲いていた。