煤逃の不要不急といふべきや
煤逃の逃げ場のあらずなりにけり
煤逃の流行りやまひを憂ひけり
いつもなら映画やゴルフ、あれこれ口実を設けてはとんずら。
どうやら今年はそうもゆくまい。
基礎疾患をかかえる老いの身には、行く当ての会場が混み合ったりつき合ってくれる友もいなくては、行き場も困るにちがいない。第一、煤払いから逃げるのであるから、これはもう立派な「不要不急の行動」というものである。これ以上の医療崩壊や家族や親友を危険にさらすわけにはいかないと戒めるのが常識ある大人の態度であろう。
而して、健康のためにも煤払いはすすんで協力した方がいいのである。
今年はコロナに振り回されたとはいえ気楽な年末を過ごしている。
その証拠に毎日映画三昧の日々である。
かと言って何もしない訳にもいかないのでちょっとした身の回りの片付けや水回りをさっぱりさせ気持ち良く新しい年を迎えたいものである。
このまま上手く次の誕生日まで生きながらえば晴れて喜寿を迎えることになる。
ちょっと信じられない・・・少し前に連れ合いの喜寿のお祝いをしたばかりに思っていたが私の番とはね!!
どこへも行かない暮らしが身についてくると、身の回りがだんだんすっきりしてきます。余った時間で少しは片付けが進んでいるせいもあるでしょうし、庭などはいつもよりすっきりして見えます。
今日もZoomで句会。3時間があっという間に過ぎました。
このまま行けば私もあっという間に喜寿を迎えることができるかも。永らえば、ね。
煤逃の不要不急といふべきや
煤逃の逃げ場のあらずなりにけり
煤逃の流行りやまひを憂ひけり
いつもの通り「煤逃」がよく分からず、検索したら、(やっぱり)これが季語!、作品例も無数に載っていましたが、目に留まったのは「煤逃げの男と女昼の星」。年末の大掃除は男の仕事という思いがあり、男と女が共に煤逃げするなんて、と思わず笑ってしまいました。ほたかさんのは三句ともコロナ禍の自粛生活が定着した雰囲気がとてもよく出ていて、ほほえましくも、切実で、のちのちまで記憶に残りそうです。
元の季語は「煤籠」で、本来は足手まといの年寄りや子供を別室に押し込むことを言いますが、「煤逃」となると意志をもって煤払いを忌避する、つまり、サボりですな。
今年は外へ逃げようにも会食アウト、かと言って寒くて外で過ごすわけにもいかず、逃げ場のない年でした。