寒禽の小舎脱け出して雪せせる
鶏というのは残酷な生きものである。
群で飼うと必ずいじめに遭う奴がいる。いじめというのは集団リンチみたいなもので、誰彼となく嘴でつついて羽根を傷つける。最悪はその毛をむしり取るので、季節外れの羽抜け鳥となることもある。
そんないじめられっ子が鶏舎から出て徘徊したりするが、それでも遠くに行くようなことはない。しばらくしたらまた小屋に戻るのである。
いじめが、ひどいときには死に至らしめることもあり、つくづくとくしがたい生きものである。そう言えば目にズームアップすれば、恐竜のそれと同じでじつに冷たいものを見るのである。
鶏の世界にも死に至るようないじめがあるとは・・・
そういえば昔、羽の抜けた貧相な鶏を見たことがありますがあれはひょっとしていじめられた結果の姿だったのでしょうか?
夏の季語に「羽抜鳥」があります。これは、夏から冬への羽毛転換期に見られる様子を呼んだものですが、一羽だけぼろぼろとなるといじめかもしれないですね。